犬の鼻が人を救う!!
犬の嗅覚が行方不明者の捜索、犯人追跡、空港での不法持込み物の探索・・・など日々私たちの生活、安全を守るために大活躍しています。
さらには人間の体から発せられるごく微量匂い成分を探知し、血糖値の変化やてんかん発作の予兆を知らせてくれる補助犬もいます。
その他ガン、マラリアなどの感染症など、疾病別にその特徴的な匂いを覚えさせ、探知させる訓練をしている団体がイギリスにあります。
新型コロナウィルス探知は可能か?
この団体はメディカル・ディテクション・ドッグス(Medical Detection Dogs)という慈善団体で、ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院、そしてダラム大学とも協力して研究を始めたとの報道がありました。(2020年3月27日AFP=時事通信)
こちらの団体は、これまでもガンやパーキンソン病、細菌感染症などを特定するよう、犬に訓練をしてきた実績があります。
犬による探知は、呼気に含まれるその疾患独特の臭気をキャッチする検査方法なので、体の負担が少なく、かつ短時間で識別が可能です。
もちろん確定診断には、血液検査やCT、PCR検査などが必要になるとは思いますが、無症状の人を含め初期診断が可能になれば、かなり検査効率が上がると思われます。
同時に発熱の有無も、訓練次第で探知可能ですので、まさに空港や駅、そして多数の患者を受け入れる病院の入り口などで、感染者の拾い上げに最適と思われます。
ただ一点、慎重に判断しなくてはならないのは、この新型コロナウィルスの犬に対する感受性です。
匂いで探知するということは、
①嗅覚器にウィルスがどの程度付着するか。
②それによる感染リスクはあるのか。
という調査は、慎重に行われなければならないでしょう。
それがクリアできれば、かなり実効性の高い検査方法になると思われます。
現時点で人から犬への感染例は、確実性が乏しいと言えます。
何人かの獣医師に聞いても、
人⇒犬
あるいは
犬⇒人
という感染については、懐疑的な意見でした。
しかしネコ科の動物への感染は、複数例が確定しています。
ただこれも
ヒト⇒ネコ科
というルートはあっても
ネコ科⇒ヒト
は報告されていません。
もし狂犬病ウィルスのように、哺乳類間で自由に行き来するようなウィルスとなれば今後の対策もかなり慎重にならざるを得ませんが、今のところコロナウィルス科本来の特徴を鑑みるとその可能性は低いと思われます。
個人的な所感ですが、この新型コロナウィルスは、猫腸コロナウィルスと猫伝染性腹膜炎の関係と似ているように見えます。
(注:新型コロナウィルスと猫腸コロナウィルスが似ているという意味ではありません)
猫腸コロナウィルスと猫伝染性腹膜炎ウィルスは、どちらもウィルス像としては区別つかないにも関わらず、まるで別物のように症状の出方に大きな差があること。
これは現在報告されている新型コロナウィルスの感染症例と似ているように感じます。
つまり無症状や普通の風邪と区別がつかない軽症者が大半なのに、重篤化する時は非常に早く症状が進む・・という部分です。
猫腸コロナウィルスは、感染力は高いが病原性は高くなく、”お腹の風邪”程度で治まってしまう。
一方で、猫伝染性腹膜炎は感染力は低いのに、罹患すると急速に症状が進み、手の施しようがないまま致命的な結果になってしまうこと。
この症状の大きな差のはっきりとした原因は判明していません。
同じコロナウィルス科での類似点。
それぞれの分野で研究が進めば、お互いに救われるヒントが出てくるかもしれません。
犬も猫も、我々の健康を助けてくれる大きな存在であることを、今ほど実感していることもなかったと思います。
いま日本も含め、世界中が国難とも言える大変な状況になっています。
後世に語り継がれるような難局にいますが、どんなに小さなことでも、それぞれのできることを積み上げていくことでしか、これを乗り切る術はありません。
これまでだって人類は、幾多もの感染症を経験してきましたが、全て終焉があり克服してきました。
今、先の見えない不安の中にいる方は多いと思いますが、この感染症にも終りは必ずあります。
必ず終ります!
関連ブログ⇒犬と猫と人のコロナウィルス
#青い森工房 #春夏秋冬 #犬 #猫 #健康 #コロナウィルス #猫伝染性腹膜炎 #猫腸コロナ #ワンヘルス #探知犬 #感染症