商品を選ぶ自由がなくなる
消費者庁が、
『食品添加物無添加』
『保存料不使用』
『○○不使用』といった表示を禁止する方向で検討しているとの情報があります。
同時に農林水産省では、ゲノム編集作物の種も有機認証の対象にする方向で検討しているとのこと。
それを受け、EUでは日本の有機認証農産物の輸入停止も検討しています。
近年、日本政府は『攻めの農業』『農産物輸出拡大』を打ち出し、有機認証の取得を推奨してきましたが、それを自ら破綻させようとしています。
苦労して栽培している有機栽培農家さんにとっては、裏切りといえる行為でしょう。
何をしたいのか全く分かりません。
『無添加表記』については、一体何が無添加なのか分からない商品もあり、なんとなく体に良さそうに見せたいという商品について、何らかの規制ができるのなら良いと思います。
しかし一律『無添加』『不使用』を禁止するのは疑問です。
それならば『遺伝子組み換え使用』とか『農薬〇回使用』という表記義務を作って欲しいです。
都合の悪い表記をぼかすのは、消費者の利益になるのでしょうか。
よく
「そんな表記をしたら誰も買わなくなる」
という意見を聞きますが、本当のことを書いたら皆が買わなくなるような商品ってどうよ?
タバコのパッケージに
『あなたの健康を損なう可能性があります』
と表記していても吸いたい人は吸うように、食品も無添加表記を禁止にするなら、添加物表記を前面に出して欲しいです。
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安全性の評価は難しい
まさに今接種が進んでいるワクチンもそうですが、安全性の評価は難しいのです。
『安全性が確認されました』
と報道されても、実際論文の中では微妙なことも少なくありません。
『この部分の危険性は否定された』とか『この部分の安全性は確認できた』というものがほとんどで、例えば先に挙げた遺伝子組み換え作物や着色料なども、無制限で安全なわけではありません。
そもそも水だって飲みすぎれば、”毒”になりどんな条件で摂取しても100%安全なものなど存在しません。
つまりゼロリスクを追及するのは現実的ではないのですが、いくらなんでも食品についてはもう少し慎重でもよいのではないかと思います。
ただちに影響がない=安全 ではない
連日報道されるコロナウィルスでも変異株の発生が話題になっていますが、変異というのは予想不可能です。
これほど長いつきあいのあるコロナウィルスでさえ、
・どの部分が変異するのか?
そして
・そこに変異が起こるとどうなるのか・・・というのは起こってみないと分かりません。
例えば
・病原性に変化が起こるのか。
・感染しやすさに変化が起こるのか。
・現状とあまり変化が起こらないのか。
古くからあるウィルスでさえそんな状況ですから、遺伝子組み換えやゲノム編集による変異はもっと未知です。
遺伝子組み換えやゲノム編集は、遺伝的な疾患の治療にも使える可能性がありますが、野菜や果物、食肉に使い、それを食べた時の影響は調べ尽くせていません。
原発事故の時にも繰り返されたように「ただちに影響はない」ということでしょうが、ただちに影響がないから”安全”とも言えないのは明白です。
(ただちに影響がなく、未来永劫も影響がなければそれに越したことはありませんが)
現在、国が保障を知らせるCMが流れている『石綿による健康被害』と似ているように思います。
何度繰り返すのか?
石綿が安くて便利な建材として出た頃、欧米ではすでに健康被害の可能性を危惧するデータもあったのに無視。
『神経質な議論』として見ないことにした感じです。
その結果、数十年経って訴訟になり、国としても保障せざるを得なくなったのですが、すでに命を失った人もたくさんおり、家族にしてみればお金をもらって済む話ではないでしょう。
国の規制とは国民の利益のために行われるべきで、よその国の投資家や一部の企業の利益のために行われるべきではありません。
不可解な理由の規制は、消費者が規制していかなくてはならない時代のようです。