東洋医学から見る52~三焦を軽視するべからず!全身を整えるポイント
- 青い森工房
- 3月26日
- 読了時間: 3分

未だに議論が多い三焦
漢方では五臓六腑の中に”三焦”という腑があります。
各季節に属する臓器とパートナーとなる腑があります。
春⇒臓器:肝臓、腑:胆のう
夏⇒臓器:心臓、腑:小腸
秋⇒臓器:肺、腑:大腸
冬⇒臓器:腎臓、腑:膀胱
土用⇒臓器:脾臓、腑:胃
このようにその季節に共同で働く臓器と腑がありますが、三焦は独特です。
そもそもどこにあって、何をしているのか漢方の世界でもまだ統一した見解がありません。

謎の多い三焦
ただざっくりした概念としては、皮膚と臓腑の間にあって、体に取り込まれた水分を全身に送ったり、余分な水分を回収してくる水路のような存在とされています。
血管とは違う道を行き来している水分・・・西洋医学的な表現だと組織液やリンパ液なども含んでいるように思います。
そして三焦はその名の通り、三つの”焦”で成り立っています。
上焦⇒体の上部。胸郭の辺り。心臓・肺はここに属する。
中焦⇒おへそ辺りまで。脾臓・胃はここに属する。
下焦⇒おへそより下。肝臓・腎臓・小腸・大腸・膀胱。
肝臓は実際、おへそより上にありますが何故か、下焦に入ってます。
この辺も議論を呼ぶ原因でしょうが、薬膳で食事のバランスを考える時も食性(体を冷やすとか温める等)や食味(甘味・酸味など)を季節や体調に合わせるのはもちろん、上焦・中焦・下焦に作用する食材をバランスよく配合することが求められます。

三焦と関わる臓腑
そして三焦以外の腑は、セットとなる臓器が存在しますが、三焦は水分に関わる肺、脾臓、腎臓、小腸、大腸、膀胱と密接に連携していると考えられています。
消化・吸収・排泄という一連の流れを司る水路は、体の奥から体表まで広がっていて全身に影響すると思った方が良いでしょう。
また水の通り道だけではなく、衛気(えき)と呼ばれる臓腑を温め、外から侵入する病気の原因となるもの(外邪)を阻止する”気”の通り道とも考えられています。
ということは、免疫システムも含んでいるように思います。
つまり多くの臓腑と関り、全身に影響する三焦は『よく分からない存在』だからと軽視して良い存在とは思えないのです。
特に”梅雨”という極めて湿度の高い季節があり、汗として皮膚からの水分調整が難しい犬猫にとって、”三焦”を整えることは年間を通して大切だと考えます。

三焦の時間
各臓腑には、活動が活発になる時間帯があります。
三焦については21時~23時とされています。
その時間帯は”亥の刻”とも呼ばれ、一日の最後です。
つまり一日の総括をして、全身の調整をする時間帯に三焦は最も活動的になるのです。
この時間帯に眠るのは現代人には難しいと思いますが、入浴したり好きな音楽を聴いたりリラックスする時間に充てるのは可能かもしれません。
ただ食事は21時までに済ませておく方が良いでしょう。

食事が遅かった翌日に浮腫んだり、なんとなく体が重い感じがするのは、三焦の活動を邪魔してしまった影響もあると思います。
また食事が遅いとお腹がすいて食べ過ぎてしまったり、お肉や油の多い消化に時間がかかるものを食べたりすると翌朝、胃がすっきりしないこともあります。
これは次の時間帯23時~1時(子の刻)の胆のうに負担がかかってしまった結果でしょう。
犬猫も同様で、この時間帯の食餌やおやつは避けたいです。
ゆっくり犬猫と触れ合える時間帯ですが、食餌やおやつはやはり21時前に与えて下さい。

まとめ
消化・吸収・排泄という生きる上で欠かせない流れを司る三焦は、全ての臓腑と関わっています。
各季節の臓腑のケアで、その季節の体調が整わない場合は”三焦”の存在も今一度確認しましょう。