秋~秋土用に起こりやすい不調は?
最近は秋のお彼岸を過ぎても暑い日がありますが、朝晩は気温も湿度が下がり、寒暖差による排便の不調をお聞きすることが多い季節です。
(お腹がゆるい・下すor 固い・便秘)
秋は肺・大腸の季節で、気温の他、意外と湿度の変動で調子を崩すこともあります。
台風やそれに伴う秋雨前線の活発化など雨も少なくないのですが、それで湿度のバランスが取れるわけはなく、気圧の変動も激しいです。
毎年10月20日ころから土用に入りますが、土用といえば胃・脾。
本格的な寒さに備えるため、体の土台となる”土壌”を調整する期間です。
今日はそんな時期にお勧めの食材をご紹介します。
チンゲンサイ
なんとなく面影はありますが、白菜の仲間です。
一年中スーパーで見かけますが、本来は白菜同様、秋~冬の野菜です。
アクが少なく火も通りやすいので、使いやすいですよね。
体の熱を冷ます”涼”の性質を持っているので、腫れや炎症がある時によく使われます。
腫れや炎症は実際、熱を発していますが、例えばイライラや憂鬱などは肝の熱が原因と考えられています。
チンゲンサイは肝の気をスムーズにし、肝機能をあげてくれるので、このような熱対応にもお勧めです。
そのため
・乾燥からくる皮膚のカユカユなど体の不調でイライラしてる
・生活環境上のストレスを感じている
というような時にいいです。
何らかのストレスを感じていると、胃のむかつきや食後に胸やけを感じることも起こりやすいですが、そんな時も胃腸を整えてくれます。
ストレスとは嫌なことがあったり、騒音が続くような環境だけでなく、寒暖差や単調な生活が続くことでも感じます。本人の自覚のあるなしに関わらず、体が感じるものも多いです。(しかもちょっと時間が経ってから体に出ることも)
そのため季節の変わり目や気分転換がしづらい環境が続く時などは、このような食材を取り入れると、体調不良を自覚する前に乗り切っていくことができるでしょう。
そして血の巡りを良くする作用もあるので、寒さで滞りがちな血流を流してあげるには向いています。
しかし
「寒い時期に涼性の食材じゃ、余計に冷えちゃうんじゃない?」
という疑問もあるかもしれません。
旬の食材とはよくできたもので、例えば温性食材である鮭やエビなんかと一緒に調理すればバランスがとれます。
レンコン
東洋医学では、陰陽のバランスを取ることが重要視されます。
なんとなく”陽”は明るくていい感じで、”陰”は暗くて良くないイメージがあるかもしれません。
しかし太陽と月の関係と同じように、どちらが良いとか上というものではありません。
両方が過不足なく存在することが大切なのです。
秋に起こりやすい
・かゆみ
・皮膚の乾燥
・口の渇き
・便秘
・めまい
などは”腎の陰気不足”から起こります。
レンコンはこの陰の気を補充するので、季節の秋はもちろん、人生の秋ともいえるシニア期にもぴったりの食材です。
陰気の補充には生がお勧めで、血の熱を取ってくれます。
具体的には
・顔が赤くなるような発熱を冷ます(熱によって顔色が青ざめるようなケースにはNG)
・のどの痛みを和らげる
・肺の熱を冷ます
・喉を潤し、咳を止める
・喀血や血痰、血尿、鼻血、不正出血など出血トラブルの止血
という働きをします。
例えば風邪で熱がある時や、膀胱炎なんかの時にすりおろして使うといいでしょう。
また火を通して調理すると体を冷やす作用がなくなり、胃・脾を助け、腎機能も上げてくれます。そのため
・ゲップを伴う胃の不快感や吐き気
・胃腸の弱りからくる食欲不振
・慢性的な下痢
・お腹のはり
・夜間の頻尿
・足腰がだるい
・手足の冷え
という時におすすめです。
季節の変わり目は草を食べたがったり、お腹の調子が崩れたりすることは割と起こりやすいです。
もちろんそういう症状が何か病気の前兆であることもありますが、多くの場合病院へ行っても
「最近、フード変えました?」と聞かれ、
「はい」と答えれば
「じゃあ、それが合わないのかも」
「いいえ」と答えれば
「季節の変わり目だから調子を崩したのかも」
と言われることが多いでしょう。
季節の変化による体への影響も忘れずに
確かに食べ物が合わなくても吐いたり、下したり胃腸の調子が崩れますが、季節的なものやフードの原料に『今の季節・今の体調には合わないもの』が入っているだけ・・・という場合もあります。
そしてストレスが原因の場合、少し時間を置いてから目に見える症状として表れることも少なくありません。
水様便や血が混じった便など、明らかな異常がある場合は即刻獣医師の診断を仰ぐべきですが、元気があって食欲も普通の場合は、
・季節の変化
・少し前のストレス(留守番が長い時があった・近くで工事があった・苦手な環境や物事を経験した等)
も思い返してみて下さいね。