季節によって多少波はありますが、犬も猫も年間を通して多いお悩みが膀胱炎。
一般的に”膀胱炎”は細菌感染による炎症が起こった状態のことを指しますが、犬猫の場合は細菌感染が認められない膀胱炎もしばしばあります。
細菌感染があれば、抗生物質やステロイドなどの投薬と、摂取する水分を増やすことでほとんどの場合良くなるでしょう。
しかし一度発症すると、何度も繰り返すことが少なくありません。
東洋医学的には腎臓・膀胱の熱と水分の滞りが原因
東洋医学の考え方では、
・細菌に感染したから膀胱炎になった
とは考えず
・腎臓・膀胱に熱がある
もしくは
・水分の滞りがある
ために細菌感染したり、炎症を起こしやすくなると考えます。
原因1:腎臓・膀胱の熱
そもそも腎臓は全身の体温が上がりすぎないよう、見張る役目を担っています。
同時に冷える季節は、体温を上げるよう体液を調整する役目もあります。
そのため『腎臓に熱がある』というのは、
・臓器を冷やす能力が低下している
・腎臓で体液(水分)を作る能力が低下している
のどちらか、もしくは両方が起こって熱が発生すると考えます。
どちらが先に起こっても、あまり時間を置かずに他方も起こり、さらに熱を発する状況となります。
こうなるとその熱は膀胱にも及び、さらに体液(水分)を消耗して尿が作れなくなります。
体内でこのような状況になった時、
・おしっこの時痛がる
・何度もトイレに行くがあまり出ていない
という症状として表れ、この段階になると血尿が見られることもあります。
原因2:水分の滞り
これは肝臓の気がスムーズに流れていない時に起こる傾向があります。
『肝腎かなめ』という言葉があるように、連携が強いんですね。
冬場の膀胱炎や腎炎などは、腎臓そのもののダメージで起こることが多いですが、春先に起こる場合は肝臓きっかけが多いと感じます。
気の流れが滞っていると、イライラや怒りっぽいといった感情面での変化も見られますが、耳が臭かったり、緑がかった目やにが出ている時なども、肝臓からの合図です。
春は冬の間溜まった老廃物のデトックスの季節ですが、感情面でもデトックスする時期なんですね。
「なんかイライラする~」とか「頭に来る!」というのは新年度に色々環境が変わったことによるものだけでなく、”肝”の季節であることも無関係ではありません。
その上、花粉症やワクチン接種などが重なると、もう肝臓は自分のことだけでヘトヘトです。
その結果、水分の滞りにつながり腎臓・膀胱に影響がでるわけです。
ちなみに
「いつも季節の変わり目に膀胱炎や腎臓の不調を起こしやすい」
という子もいて、その場合は脾を整えてあげると起こしにくくなります。
これは年に4回ある土用の影響です。
この時期は脾と胃が影響を受けているからです。
脾というのは腎を監督する立場なんですが、土用というのはどうしても脾や胃が乱れやすいのです。これは監督不在でスポーツの試合に出るようなもので、選手自身が強い調整力を持って乗り切れれば良いですが、どんな一流プレーヤーでもやっぱり監督(コーチ)の存在は重要です。
膀胱炎に良い食材
まず食材以前に、ドライフードは一番良くありません。
フランスパンでさえ、水分量は30%あります。
ところが多くのドライフードの水分量は10%以下です。それはカビの繁殖を抑えるために必要な水分設定ですが、毎日たべる食餌としては良くありません。
特に腎臓・膀胱にトラブルが起こっている時は、必ず十分な水分に浸してからあげて下さい。
理想的なのはやはり手作り食なので、起こしやすい時期だけでも挑戦してはいかがでしょうか。
ただその場合も、食材の選び方は重要になります。
まず避けるべきなのは、腎臓と膀胱の熱を下げるために鮭・ます・エビは避けましょう。
腎の冷えが起こっている時は有効な食材ですが、炎症が起きている時はNGです。
ドライフードを使う場合も、(特にキャットフードに多いですが)サーモンベースのものは避けましょう。
また小麦や豆腐、乳製品もお休みして下さい。多すぎる動物性脂肪も良くありません。
水分の滞りを良くするのは大麦・玄米です。
大麦はとろろご飯の時に使う、押し麦のことです。
玄米と炊くのは大変という時は、白米と炊いても大丈夫です。ただとろろご飯の時に使う時より、押し麦の比率を多くしてください。
そして野菜ではじゃがいも・かぼちゃ・アスパラガス。
タンパク源はタラ・鯛などの白身魚。そして豚や牛の赤身です。
膀胱炎・腎炎(急性・慢性)にとどまらず、結石がある場合は、砂肝なども良いです。
どんな時に起こるかによって対処が変わる
このように一言で『膀胱炎・腎炎』と言っても原因は様々です。
仮に細菌感染による炎症であっても、繰り返す起こす場合は
「なぜ細菌感染しやすいのか?」
と考える必要があります。
少なくとも腎臓の問題に限らず、繰り返す症状というのは、根本的な解決に至ってないために起こります。
痛んだり苦しんでいる時は、西洋医学で迅速に解消すべきですが、その後東洋医学的な目で、全身で起こっていることを観察していくことが必要です。