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東洋医学から見る⑯~風邪をひいた時の食餌。手作り食の塩分とリン酸塩の差


犬や猫も、いわゆる”風邪”をひくことがあります。



透明の鼻汁を垂らし、涙目になって暖房器具のそばでだるそうに寝そべっている時は、ちょっと注意です。



『寒い時期はいつもストーブのそばにいる』

というのはあっても、

『いつもと少し様子が違う』というのがポイントです。





私たちも鼻水が続くと頭がボ~っとしたり、にぶい頭痛がすることがありますよね。


『病院へ行くほどでもないけど、家事や仕事にはちょっと影響があるから市販薬を飲もう』

という程度の症状です。



こんな時に掃除機をかけたり、台所でガチャチャ音を立てていると風邪気味の犬猫は

・毛布に頭を突っ込む

・ため息をつく

・眉間にシワが寄るような不機嫌な表情を見せる

というようなこともあります。


そんなちょっとした変化で、体調の異変に気付くこともあるでしょう。


ぐったりして耳や目が赤くなり、明らかに熱がある時は迷わず病院へ行くべき

しかし仔犬・仔猫やシニア期の場合は、

・ただ寒がっているだけなのか

・風邪の引き始めなのか

判断に迷う時もあると思います。



そんな時はとりあえず様子見ですが、『食欲がない』というより『なんとなく食が進まない』という程度の変化も伴うこともあります。



トンカツやハンバーグより、うどんや鍋が食べたい・・というような変化ですね。


実際犬猫も、このような症状の時は大量の肉類・乳製品は避けた方が良いでしょう。

寒気を伴う症状の食餌は、2パターン

持病もなく、普段から良く食べ、運動習慣もあり筋肉がしっかりついているタイプなら、一日ほど絶食させて体内の『寒』を取り除く方法もあります。



しかしその場合も、水分はたっぷり必要です。


飲み水は、人間が指先を入れてぬるいと感じる程度の温かさにしてあげると、飲みやすくなると思います。



ただ持病があったり、持病はなくとも体質的にあまり丈夫ではなく、体調を崩しやすいタイプだったら、鶏のスープがお薦めです。

鶏スープご飯のポイント

鶏肉を煮込んだスープを、ある程度冷まして水分補給用に与えても良いです。

また食餌は、そのスープに炊いた玄米を入れて煮込んだ”鶏肉おじや”がお薦めです。



その際のポイントとして、玄米のカリウムとバランスを取るために1Lのスープに対して、コーヒースプーン(粉を測るスプーンではなく、かき混ぜる時に使う小さなスプーンです)1杯程度の味噌を加えることです。

(人間が味見しても、薄すぎて味噌の味はしないでしょう)


白米で作る場合はなくてもいいでしょう。




身体を温め、水分を体に回すことが大切なので、適切なナトリウム摂取が必要なのです。

ただし、だし入り味噌やアミノ酸調味料などが含まれているものは避けて下さい。


化学調味料は、塩味を感じなくても、高いナトリウム量を含みます。


必ず原材料欄を確認し、『大豆、米(もしくは麦)、塩』と味噌本来の原材料を使い、昔ながらの発酵過程を経て作られた物を選んで下さい。





手作り食のレシピで、味噌や藻塩などが載っていると

「味付けして大丈夫なの?」

と聞かれることも多いのですが、味付けというよりミネラルバランスを取るためです。


食品、ペットフード加工に便利なリン酸塩

特に野菜や穀物は、カリウムが多いので必ずナトリウムを加える必要があります。




よくフード類やジャーキーなどのおやつには、保存や乳化(水と油をなじませる)目的に『リン酸塩』を使っています。


『保存料』とか『乳化剤』と表記されている時もありますが、『リン酸塩』と表記されている時もあります。


また『ポリリン酸ナトリウム』とか『メタリン酸ナトリウム』『ピロリン酸ナトリウム』と表記されていることもあります。



これらは非常に多目的に使え、通常単独使用はせず、いくつかセットにして使います。

pHの変化を抑えて保存性を高めるだけでなく、酸化防止剤のバックアップ剤としても使われます。


また金属イオンを封鎖するので、ビタミンC(アスコルビン酸)の分解を防止します。

そのため天然・合成着色料の退色防止にも有効です。



フード(特にやわらかタイプ)や手でちぎりやすいジャーキー類などは、保水性が必要ですが、水分と脂質が分離しないようにするために、リン酸塩を加えておくと簡単に加工できます。



作る側とすれば、これ一つで様々な効果を期待でき、非常に使い勝手がいいのです。



そして実はフード類で大きな役目を果たしていると思っているのは、調味料的な働きの部分です。

ペット版アミノ酸調味料

人間用の食品でも、最近は『保存料無添加』という表記があっても同時に『アミノ酸等』という表記がある時があります。



グルタミン酸ナトリウムなどとミックスして、調味料の一部として表記可能なことでも分かるように、味を調える効果もあるのです。



ペット用フードやおやつでは、味付けしているイメージは良くないので『アミノ酸調味料』という表記こそしませんが、その分リン酸塩で調えます。




そういったものでミネラルバランスを整えるのと、生物が生まれた海に由来する自然の”塩”を使用した発酵物で整えるのとどちらが体に良いか・・・選択権は飼い主さんです。

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