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東洋医学から見る24~寒くても暑くても起こる関節炎。その対処法と食餌


シニア期にある犬猫は、加齢による筋骨の衰えに加え、様々な理由で関節に痛みが出ることがあります。


最近は5~6歳の若い世代でも、運動不足や太りぎみの個体を見ることが増えています。

いわゆる”メタボ”状態で、その悪循環から脱却するためにも『関節の状態』は大切なチェックポイントです。


『痛いから動きたくない』

のか

『動かないから痛くなった』

のか・・・。



どちらにしろ関節炎がある犬猫にとって冬と夏、また『乾燥しているか』『湿気があるか』でも対処法や食餌が変わってきます。


寒い&湿気がある場合の関節炎

寒くても雪が降るような地域は、風にもある程度湿度があります。


こういった環境は、関節炎が悪化しやすいです。



寒さによって血管が収縮して血流が悪化。

その結果、筋肉も収縮して固くなり関節炎だけでなく、足先の冷え首の痛みなども伴っている場合があります。



また鼻が詰まりやすくなり、「フガフガ」というような鳴き声を出したり、いびきをかくことも。

目は涙目になり、消化不良や下痢といった胃腸障害として出ることもあります。


冷えで”血”や”水”の滞りが起こることから、腎臓も影響を受け、糖尿病の悪化も起こりやすい環境です。



こういった時は、エプソムソルトを入れたお湯にタオルを浸して温湿布を作り、腰や後ろ脚を温めてあげると良いでしょう。




食餌は体を温めるというより、陰陽のバランスのとれたフラットな食餌の方がお勧めです。食材としては牛肉や鴨肉が良いでしょう。

鴨肉は猟期が限られ手に入りにくいので、スーパーでも手に入る合鴨でも構いません。



ただこちらは野生の真鴨と家畜として飼われている鴨の掛け合わせ(だから合鴨っていうんですね)なので、薬膳的な作用が少し違います


やや体を冷ますので、生姜やパセリなどと合わせて性味のバランスを取り、水の流れをスムーズにしましょう。

穀物は玄米を中心に、野菜はブロッコリーやニンジンが鉄板です。



ちなみに鴨も合鴨も生物的には同じで、英語ではどちらも『duck』です。

北京ダックの”ダック”なので、英語圏ではあひる肉も同様ですが、薬膳的な働きはやはり真鴨とは違います。


寒い&乾燥している場合

都市部では寒くても、からっ風が吹いて乾燥していることが多いでしょう。

こういった環境は体内も乾燥しやすくなっています。


すると”水”の不足だけでなく、”血”の不足が起こり、関節を支える腱や靭帯の潤いがなくなります

それに伴いやはりコリや筋肉の固さが起こるのです。


そして湿気がある場合と違うのは、炎症が起こりやすくなること。


ドライアイで目が赤くなったり結膜炎を起こすのも、『寒い&乾燥』という環境の特徴です。

目の症状の他、

・爪が割れる

・被毛が傷む

・肌の乾燥

これ”血の不足”を知らせる、肝臓からのサインでもあります。




こういう時は、関節そのものより腱や靭帯のひきつれや場合によって痺れのような症状が出ていると思われ、休んでいる時に姿勢を頻繁に変えるのが特徴です。



こういった症状があると、最初は散歩に行きたがらなくても、歩いているうちに足取りが良くなります。


猫ならば起きぬけに体を伸ばすだけでなく、爪とぎを熱心にする場合もあります。動くことで血が回り、こわばりが取れてくるのです。




下痢も湿気のある環境よりだらだら長引き、寒さによる腎機能の低下も起こると頻尿といった症状として出ます。

長引く下痢や頻尿は、脱水とそれに伴うミネラルバランスの崩れのサイン。


決して”水”が余っているから排泄しているのではありません。

脱水気味なのに、身体の水分がどんどん外に出てしまう状況は、早期に対処する必要があります。



こういった時、ドライフードだけの食餌は特に良くありません。

水分をさらに消費し、炎症をひどくしてしまいます。


ドライフードには少し温めたお湯やお肉の茹で汁スープをたっぷりかけましょう。

手作り食のメインタンパク質はラム肉や豚肉がお勧めです。


暑い&湿気がある場合

日本の場合、砂漠やヨーロッパのような『カラッとした暑さ』という気候はほぼないので、暑さには湿気がついてきます。



こういう環境では、腰や後ろ脚より手先・足先の関節やひじの関節に腫れや痛みが出ることが多いです。


手先・足先をカジカジしている場合、かゆみによることも多いのですが、その中には関節の違和感を伴っている場合もあります。(いや、場合によっては違和感からカジカジしているうちに皮膚に炎症を起こすケースも)



夏はポツポツした湿疹や肌のべたべたして匂いを伴うような皮膚炎が起こりやすいです。


そのため見極めが非常に難しいのですが、どれも体内に湿気が滞り、排出が上手くいかないことで起こる症状です。


内臓症状としては、下痢や膀胱炎、結石、胆嚢炎や膵炎といった形で現れることもあります。


こういう理由で起こる各症状は、食餌の調整が非常に重要になります。

寒い&湿気の所に出てきた牛肉や牛レバーなどは暑さ&湿気対策にも有効です。


それに玄米とハト麦を組み合わせると良いでしょう。

野菜はブロッコリーの他、体内に熱がこもっている場合は、タケノコを細かく刻んで少しトッピングするのもお勧めです。


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