あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
子年は干支の始まり。
子供の『子』という字を使っているように、「これから芽を出す」という意味合いもあるそうで、如いては『繁栄』を示すめでたい年だそうです。
そのような年の始まりだからこそ、基本を大切に、今一度食材の基本に戻ってみようと思います。
どんな食餌も栄養計算の前に、食材の質が担保されて初めて生きるものですから。
そんな訳で年頭から『セシウム』だの『コバルト』だのなんて話だ?!と思われるかもしれませんが、こんな時だからこそ、今年を占う大切な話題をお伝えしたいと思います。
2020年1月1日から日米貿易協定が発効
「牛肉や豚肉の関税が下がって、安く買えるようになる一方、日本にとって重要な車の関税は守られた!」
というのが主な報道です。
しかし事は、関税や政治的な話だけではなく、『食の安全』という国家をも揺るがす大問題を孕んでいることを危惧しています。
すでに遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品の流通を許し、この貿易協定を見据えていたと思われる『残留農薬基準の引き上げ』も行われました。
関連ブログ⇒お馴染みの食パンから農薬?!
そこへ輪をかけるように今年は『放射線照射食品』の大量輸入が開始されることになります。
殺虫目的ならば全ての食品に許可されている放射線照射
現在日本国内における放射線照射は、ジャガイモに限定されています。
しかも秋に収穫したジャガイモが、芽を出す時期(3月下旬~4月あたり)に行われています。
ご存じのようにジャガイモの芽は有毒なので、それを防ぐためですが、アメリカでは貯蔵期間の延長目的だけでなく、殺虫や殺菌目的でも行っています。
ガン治療の現場で、放射線照射を行ってガン細胞を叩いているように、豚肉などの寄生虫を叩く目的で行っています。
殺虫目的ならば全ての食品に許されているので、米や小麦など穀物全般はもちろん野菜や果物、香辛料や調味料・・とにかく全てに照射できます。
健康のために食べている方も多い、グラノーラやナッツ類、スパイス類、ハーブなども。
そして生の野菜や果物は、熟すのを遅らせる目的にも照射できます。
また鶏肉・卵・牛肉には殺菌目的で照射することもできます。
これも寄生虫同様、放射線によって微生物の細胞を破壊するわけです。
殺菌・殺虫目的なら、食の安全が担保されるのだから、むしろ安全?!
そのような意見もあるようです。
しかし放射線治療の辛さは、多くの方が耳にしたことがあると思います。
年々機械の精度が良くなっているとは言え、病巣の周辺だけでなく全身状態に影響を与えるのは周知の事実です。
食品への照射は治療とは違い、目的の寄生虫や微生物だけをピンポイントに叩き、肉や野菜そのものに全く影響を与えないことなどあり得ません。
食品照射に使用される放射線は、主に”セシウム137”と”コバルト60”
セシウム137は同じセシウムでも134とは違い、ウランの核分裂によって生まれる生成物です。
ご存じのように福島第一原発の水素爆発で放出され、食品の残留検査の際にも測定されています。
日本でジャガイモの出芽防止に使用しているのは、コバルト60の方です。
こちらは注射針や手術用具(メスや縫合糸、カテーテルなど)体内に留置する人工関節などの滅菌に使われるなど、医療用や工業用にも使用されています。
高圧蒸気滅菌同様、どちらも残留物がなく安全とされていますが、設備そのものが非常に高価で、滅菌コストとしては安くありません。
また設備を導入することは、近隣の理解と協力が必要になります。
これら放射性物質は、照射したからと言って、食品に残ることはないとされています。
しかし
『医療分野で使用しているから、食品に使っても安全』
・・と単純に言えるものではありません。
例えば殺菌目的で照射しても、ガン治療同様、100%の微生物を死滅させることは難しいのです。
また栄養素やビタミン類が破壊されたり変化する可能性も否定できません。
実際脂質に放射線照射すると『シクロブタノン』が生成されるのが問題となっています。
シクロブタノンに変異原性の可能性
1997年、ドイツ連邦栄養研究所の研究で、放射線照射によって生成されるシクロブタノンに変異原性(DNAや染色体に変化を引き起こす性質)が指摘されました。
脂質は肉に限らず、穀物、豆類、ナッツ類など多くの食材に含まれています。
そのため2003年、コーデックス規格(国際食品規格委員会)に
『技術的必要性があれば、照射する放射線量は10キログレイ以下』
と改訂されました。
そして食品への再照射は基本的に禁止されましたが、穀物類・豆類・乾燥食品は再照射可能です。
これは安全上の理由というより、完全に貿易上の理由です。
船で長時間輸送する際の防虫対策です。
収穫後の農薬が減っても放射線照射は減らない
なぜなら農薬と違って、その痕跡を検知するのが非常に難しいからです。
さきほど挙げたシクロブタノンを測る方法もあるのですが、
・生肉の脂質
・鶏の空揚げやケーキ類など加熱調理済のもの
・それらを冷凍した物
など、食品中に含まれる水分や空気によって、実際の照射量と検出量に差があり、指標とする数値をどこに定めるか、非常に難しいのです。
つまり簡単に言えば、安全性もそれを検知する技術も追い付いていないのが現実ですが、『検知する方法がないから照射しても公表しなくて良い』
という基準を採用しているわけです。
『脂質から遺伝子組み換えの痕跡が検知できないから、食用油には表記しなくて良い』
という理論とそっくりです。