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大腸と短鎖脂肪酸②~食べ過ぎSTOP!プロピオン酸

更新日:2021年1月14日



プロピオン酸は肥満の味方?敵?

プロピオン酸は、カルシウム塩やナトリウム塩と結合させて食パンや菓子パン、洋菓子の他、ペットのおやつ、フードなどの保存料として広く使用されています。


結合させないプロピオン酸そのものは、独特のくさい匂いを放っているため、単独で使われることはほぼありません。



一方でイチゴやりんごなどの香気成分は、プロピオン酸エチルであり、結合する成分によっては良い香りがします。

そのため合成香料の原料としても使われています。



昨年、食品に保存料として添加されているプロピオン酸が、いくつかのホルモンの血中濃度を上げ、肥満や糖尿病のリスクを上げる可能性が報告されました。



この場合の”プロピオン酸”は、冒頭に挙げたような何らかの成分を結合させているため大腸内細菌が作り出す”プロピオン酸”とは別物です。


大腸で細菌が作り出すプロピオン酸

大腸の細菌が作り出すプロピオン酸は、脂肪細胞の受容体にはまるとレプチンというホルモンを放出します。


このホルモンが脳に届くと「お腹いっぱい!」という合図になるのです。

よく

「満腹中枢に合図が行くまで20分くらいかかるから、ゆっくり食べた方が良い」

と言われますが、その裏にはこのようにプロピオン酸の働きがあるのです。



もちろんたった20分で食べたものが大腸に届くわけではないので、胃や小腸との連携で合図が来ると反応すると思われます。



前回のブログの酪酸を作り出す細菌は、大腸の入り口部分に待ち構えていますが、プロピオン酸を作る細菌は、もう一つの短鎖脂肪酸である酢酸を作る細菌と共に大腸下部に多く存在します。

そのため常に十分な数の腸内細菌叢が活動していて、プロピオン酸が十分に作られていれば必要に応じてすぐに反応することができ、食べ過ぎを防ぐことができるのです。


重要臓器のエネルギー源

大腸下部で活動する細菌によって作られたプロピオン酸は、酢酸と共に血液に乗り、肝臓や腎臓、脳、筋肉などの細胞へ運ばれます。


そして各臓器の細胞活動源として利用されるのです。



つまり腸内細菌が何らかの理由で、

・バランスを崩している

・減っている

・細菌のエネルギーとなる栄養が不足している

ということが起こっていると、十分な活動ができず、産生する短鎖脂肪酸も減ることになります。



するとたちまち各臓器の細胞もエネルギー源が枯渇し、細胞の修復や作り替えなどが行えなくなり、何らかの”症状”や”病気”として表面化します。




ここで重要なのは、細菌の活動結果として産生される短鎖脂肪酸が必要とされているのであって、

「サプリメントなどで飲めばいいじゃないか」

という短絡的なことでは解決しないということです。


腸を整える=食べるものを整える

よく

「フードを食べ終わっても、人が食事しているとしつこく欲しがる」

というお悩みをお聞きすることがあります。



これはどちらかと言うと”しつけ”の問題だと捉えられている向きもありますが、我々からすると『腸内細菌の問題』も無関係ではないと考えています。


プロピオン酸の働きが十分でなく、満腹の合図が弱いのかもしれません。



本来なら犬にせよ猫にせよ、肥満は動きを鈍くし、敵から身を守るのはもちろん、餌が獲れなくなり、生命の危機に直面する重大問題です。


そのため健康を害するほど強度の肥満に至るまで食べ続けるというのは、何らかのホルモン異常でも起こっていない限り、起こり得ないはずなのです。



しかし上記にあるように人工保存料が、ホルモンかく乱を起こし肥満や糖尿病などを引き起こすように、加工度の高い食べ物というのは単にカロリーでは測れない要素を持っていることを忘れてはいけません。



一方で腸内細菌叢を増やす食事で、プロピオン酸の産生が増えてくると肥満や2型糖尿病の軽減や解消も報告されています。


短鎖脂肪酸を作る細菌は?

大腸内の細菌が作る出す短鎖脂肪酸は、免疫系統にも重要な働きをしていて、特にプロピオン酸は炎症を抑える働きをするTregの生成と深く関係していることが判明しています。



そのため短鎖脂肪酸を作る細菌類が分かれば、それら増やしていく食事や食材など、対策が少し見えてくると思いますが、これがよく分かっていないのです。



ただ多糖類を発酵させる細菌グループであるのは分かっているので、規則正しくバランスの取れた食生活を送ることで、彼らに餌となるものを安定して供給するしかありません。



関連ブログ⇒脂質と大腸細菌叢

関連ブログ②⇒B・フラギリスの仕事



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