なぜ遺伝子組み換え(GM)大豆に抗生物質耐性遺伝子があるのか
私たちの食生活に欠かせない大豆。
新しい生活様式を求められている中、味噌や醤油はもちろん、冷凍できる納豆・油揚げ、常温保存できる豆乳などは買い置きしている方も増えているかもしれません。
大豆の栄養価の高さは、言うまでもありませんが、その大豆がGM大豆だとしたら別です。
確かにたんぱく質や脂質などの栄養素に、普通の大豆とGM大豆に大きな差はありません。厚労省もGM大豆の安全性の根拠として、『形も味も栄養素もこれまでの大豆と変わらない』ことを挙げています。
しかし問題は、開発過程で組み込む『抗生物質耐性遺伝子』の存在です。そもそも”遺伝子組み換え技術”は、『最先端技術』というより『行き当たりばったり技術』です。
本当に遺伝子組み換えが成功したかを確かめるため、あらかじめ抗生物質耐性遺伝子も一緒に組み込むのです。
薬剤耐性菌を作る仕組み
どういうことかと言うと、出来上がった遺伝子組み換え作物の細胞を、大量の抗生物質入り培養液で育てます。
すると抗生物質耐性遺伝子が入っている細胞は生き残るので、
「この細胞はうまく組み換えられた」
と分かるのです。
つまり遺伝子組み換えが成功したかどうかの目印として使っているのです。
ところが私たちがこういった目印遺伝子を含む大豆を食べた時、腸内細菌に影響が出ることが分かっています。
細菌やウィルスは、自然界で遺伝子組み換えを繰り返して進化していきますが、腸内でも同様のことが起こります。
腸内細菌叢たちは、外からやってきた様々な物質に対応すべく、日々その特徴を学んでいこうとします。
そのため大豆をはじめとしたGM作物を分解していく時に、
「こりゃ新顔だな。覚えておかなきゃ」
と抗生物質耐性遺伝子も取り込んでしまうのです。
それを取り込んだ腸内細菌は、薬剤抵抗性細菌になってしまいます。
細菌にしてみれば、生きるための重要な戦略ですが、人間にとっては厄介なバージョンアップといえます。
抵抗性を鍛え上げる細菌たち
ご存じのように腸内細菌は、絶妙なバランスで成り立っており、人間が勝手に”善玉菌”とか”悪玉菌”と呼んでいるだけで、どれが欠けても困るのです。
なぜなら”悪玉菌”と言われているものでも、”善玉菌”のサポートや餌になっているものもあるからです。
そのためどの細菌が、薬剤耐性を持っても困るのです。
同時にGM作物は、害虫抵抗性遺伝子や除草剤抵抗遺伝子なども入っています。
こういった抵抗性遺伝子は、細胞内に排泄ポンプ機能を備えるようになります。
そのため病気やケガの治療に必要な薬剤が腸内に入ってきた時も、排泄してしまうようになります。
こうしてほとんど抗生物質を飲んだことがない人でも、GM大豆をはじめとしたGM作物を食べることで、いつの間にか腸内に『スーパー薬剤耐性菌』を育てる結果になってしまいます。
CDC(米国疾病管理予防センター)によると、近年このスーパー薬剤耐性菌による感染症が猛威をふるっていて、年間280万人が感染しています。
ちなみにアメリカの新型コロナウィルス感染者は154万人(2020年5月18日現在)であることを考えると、かなり深刻な数字であることが伝わると思います。
ちなみに死亡率は新型コロナの方が高くて、現在のところ9万人くらい。
薬剤耐性菌による死者は年間35,000人ですが、新型コロナの方は切迫した医療体制下での数字です。
この数字だけで、薬剤耐性菌による感染症の方が軽くて済むというという話ではありません。
薬剤耐性菌感染症の原因が、すべてGM作物によるものとは言えませんが、毎日食べているもの含まれる可能性がある以上、原料に占める割合に関係なく、表記してもらいたい情報だと考えています。
関連ブログ⇒私たちの中にあるもう一つの町①
関連ブログ②⇒国産大豆は1/10以下
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