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東洋医学から見る⑫腎臓と耳の関係1~冬に食べたい豆


”ささげ”と言えば、お赤飯しか思い浮かびません(^_^;)

(料理に疎いので、他にどんな料理に使われているか想像もつきません)

一見小豆に似ていて、地域によっては小豆でお赤飯を炊くこともあるようです。

しかし小豆は煮ると皮が破れやすいことから

腹の皮が切れる=切腹

を連想させるとして、皮が破れづらいささげが使われるようになったという説もあります。

一般に暖かい環境を好むとされますが、比較的多様な生育環境に適応できます。

そのため長野県・岩手県などの寒冷地から沖縄県まで全国各地で在来種が残っています。(岩手県・秋田県・沖縄県では珍しい黒ササゲも栽培されています。)

ささげは平安中期の新猿楽記※に『大角豆』という名前で出てくることでも分かるように、かなり昔から私たちの食生活に馴染んでいます。

新猿楽記=藤原明衡(あきひら)が書いた初級教育の教科書の祖

腎臓と豆の形が似ていることから、薬膳では『腎臓を助けたい時は豆』

小豆も黒豆(黒大豆)も、『むくみ』を取ってくれますが、作用の仕方が少し違います。

小豆は心臓や小腸に作用し、心機能低下に伴う胸水や腹水、そして主に下半身のむくみ取りに向いています。

またかゆみを伴うジトジトした湿疹・・つまりあせものような皮膚症状ですね。

また特に夏場に起こりやすいですが、臭い耳だれや赤くかゆみを伴う耳の炎症が出る時にも向いています。

皮膚にしろ耳にしろ「ジトジト、ベタベタ」という状況は、そこに余分な水分が滞っていると考えます。

だから心機能をサポートし

心臓のポンプで血液を流す

水分が滞っている細胞から不要な水分を運び出してもらう

このような作用を促してくれます。

一方黒豆は、血を活性化して全身に回し、解毒を助けることでむくみを取ります。

そのため全身のむくみ血の滞りによって起こる腰痛や生理不順の改善にも向いています。

寒さや運動不足で血流が滞りがちなお正月に食べるのは納得ですね。

そしてささげ

これは腎臓に直接作用して、血尿を止めたい時にも使いますが、消化不良でゲップが出たり、お腹が張っている時に摂りたい食材です。

一般に、豆類は消化が悪く鼓腸症の原因になると言われていますが、ささげに関しては、むしろそういう症状の改善を助けてくれます。

(もちろん調理の仕方が悪くて加熱不足だと、ささげに限らず消化不良は避けられませんが)

夏も耳の問題は出やすいですが、冬は夏とは違う理由で”耳”の問題が出やすい時です。

それは冬の臓器”腎臓”と関係しています。

年をとると耳が遠くなるのは人も犬も一緒ですね。

あと耳鳴りがするようになったとか・・・犬や猫に耳鳴りがするかどうか、問診するのは不可能ですが(^_^;)、高齢犬が昼寝中、急に起きて周りを見回したり、一点を見つめたようにじっとしている時などは、もしかしたら耳鳴りのようなこれまでに経験したことのない不思議な音に集中しているのかもしれません。

加齢による難聴はある程度避けられないことですが、これも東洋医学では『腎臓の衰え』から来る症状の一つと見ます。

ご存じのように耳の中に平衡感覚を感知する三半規管があります。

この中には水分が満たされていて、その動きで体の傾きを脳が感知しているわけです。そのため

・水分が足りない

・水分の配分が上手くいなかい

という状態は、耳の機能にも影響するのです。

そして腎臓の水分を調節しているのが”小腸”

心臓&小腸は”夏”の臓器ですが、真逆の季節でも小腸の水分調節機能は、キーポイントになってきます。

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