タイトルからいきなりクイズです!
さあ、この二つの共通点は何でしょう?
青森県民や山に詳しい方は、ピン!とくるでしょうか?
高倉健さん主演の『八甲田山』という映画もありましたね。
陸軍の訓練中に実際に起こった、大規模な遭難事故を題材にした映画です。
主演を支える俳優陣は、北大路欣也さん、三國連太郎さん、大滝秀治さん、加山雄三さんなど錚々たる面々。
そこに花を添える女優陣は秋吉久美子さん、栗原小巻さん、加賀まりこさんなどこれまた超豪華な顔ぶれです。
答え:八甲田山と言う”山”はない。乳酸菌という”菌”はない。
八甲田山の方は「へえ~、そうなんだ」という感じでしょうか?
(えっ?映画の話なんか関係ないじゃないかって?(^_^;))
実際は”八甲田連峰”なんです。
複数の火山の総称として”八甲田山”と呼ばれていますが、”八甲田山”という単独の山はないんですね。
でも乳酸菌は
「え~!そんなわけないでしょう」と思われる方が多いと思います。
例えば納豆菌はバチルス・ナットー。
大腸菌ならエシェリキア・コリ。
ところが”乳酸菌”に分類されるものは200種類以上もあり、それらを総称して”乳酸菌”と呼んでいます。
例えばヨーグルトによく使われるのはラクトバチルス・ブルガリクス。
いかにも!という名前です。
ヨーグルトに使われるのはこの他にもありますが、某有名乳酸菌飲料(ヤ〇〇トレディが届けてくれるアレですね)はラクトバチルス・カゼイ。
乳酸菌飲料でもビフィズス菌を使ったものだとビフィドバクテリウム・ロンガムとか・・。
漬物など塩がある環境でも生きられる乳酸菌もあって、ラクトバチルス・プランタラムなどが有名です。
よく”古漬け”と言われるような酸味を感じる漬物にいる桿菌です。
あとさっぱりした口当たりを感じる醤油や味噌にも乳酸菌が存在していて、こちらは四連球菌のテトラジェノコッカス・ハロフィルス。
『乳酸菌でお腹を整えましょう』という時、ヨーグルトや乳酸菌飲料だけでなく、漬物・味噌・醤油でも摂取できるんですよ!
色々な菌種から摂取した方が、腸内細菌叢も多様になり、体の対応力も高まります。
乳酸菌は乳製品にしか存在しないわけではないのです。
ちなみに昔から
『味噌汁を煮立ててはいけない』
と言われていますが、乳酸菌を損なわないためにも大切なことなんですね。
味噌は中国から伝来した説もありますが、奈良時代に来日した鑑真和上が都に来た時、すでに『醤専門店』や『未醤屋』があったと伝わっています。
(それが現代の味噌や醤油とどれ位似たものかは不明ですが)
大陸から伝わった”味噌”のようなものもあったかもしれませんが、日本でもすでに縄文時代の遺跡から”味噌様のもの”が出土しています。
土器、穀物、塩分、高温多湿
この条件があれば、存在しても不思議ではありません。
出土したそれは、どんぐりで作ったと思われる味噌様のものですが、山梨県の縄文遺跡からは、土器に入った大豆も出土しているので、かなり古い時期から味噌の原型のようなものは存在していたかもしれません。
このように乳酸発酵した食品は、美味しい上に私たちの健康に寄与してくれます。
しかし乳酸菌が困った存在になるのが、酒類の発酵時です。
ワインにしても、日本酒にしても乳酸菌の混入は酒造りの”失敗”になります。
しかし日本には乳酸以上に強い酸味を持つ、クエン酸を作る黒麹菌を使った”お酒”があります。
(続き⇒七面鳥が引き起こした酒・醤油・味噌の危機)