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私たちの中にあるもう一つの町①町内会方式?ヤンキー方式?


一般に、細菌類というのは下等な生物だと思われています。

小さくて、単純な作りで・・・

そもそも、何を持って上等・下等なのか?所詮、人間の作った教科書での基準で、生物の世界では、人間が”特別上等な作り”とも言えないと感じています。

近年の耐性菌の増え方を見ても、人間の方が振り回されているように

『感染症の原因となる細菌・ウィルスを制圧したように見えて、実はバージョンアップさせている』

のが実情です。

ケース1~町内会スタイル~

細菌も家族を作って、毎日の生活で起こったことを共有し、子供たちにそれを伝えて行きます。

特に抗菌剤に関しては、彼らにとって一番の関心事で、常にチェックしています。

まるで町会の掲示板や回覧板、地域情報サイトで『不審者情報』をチェックするような感じです。

特に”情報通”なのは緑膿菌さんです。

彼らはごく少量の抗菌剤にも反応します。

まるで町内会の”防犯部長”です。

例えば、自分たちの町内(腸内の変換ミスでもダジャレでもないですよ~)に抗菌剤が入ってきたとします。

すると見つけた住民は、グループラインで不審者情報を流します。

(実際は化学物質を出して、自分と同じ種類の細菌だけでなく、異種の細菌にも伝えます)

「抗菌剤発見!至急集合して下さい!!」

てな感じでしょうか。

すると近くにいる細菌類が集まって、抗菌剤の侵入を防ぐバリアを作ります。

これは”バイオフィルム”と呼ばれます。

よく餌皿や水皿がヌルヌルして、普通に洗ったのでは落ちないことがありますね。

それと同様、結構ガードが固いバリアです。

ちなみにお皿のヌルヌル対策には専用の洗剤も売っていますが、裏ワザがあります。

それは納豆を食べさせた後、そのお皿に水を入れて30分くらい置くこと。

するとたいていすっきり落ちます。(納豆菌の種類にもよりますが)

あるいは、ほたて貝殻パウダーを入れた水に漬けておくこと。

こちらは強アルカリ効果で、フィルムを破壊します。

抗菌剤入り洗剤なら、すぐに落ちますが、その方法は同時に耐性菌を育てることにもつながりますので、おすすめしません。

話を元に戻すと、仲間同士で作ったバイオフィルムを突破できる抗菌剤はあまりありません。

逆に言うと、それを突破できるような薬になると、微生物だけでなく、薬を飲んだ人間への毒性が強くて、おそらく薬として成り立たないでしょう。

しかし万が一侵入された場合、今度は消防団に協力してもらいます。

そうです。

侵入してきた抗菌剤を汲み出すのです。

ご町内みんなで協力したバケツリレーの開始です。

素早く汲み出せば、床上浸水を防げます。

細菌は日々進化していますので、大容量に対応した電動ポンプを導入する日も近いかもしれません。

ケース2~ヤンキー方式~

一方、古典的な方法ですが、隣町のヤンキー(抗菌剤)を、地元ヤンキーがボコボコにするスタイルもあります。

「お前の地元どこ?うちの地元でバイク乗り回すんじゃねーよ!」

って感じでしょうか?

竹刀でボコボコにしたり、ガムテープなんかでぐるぐる巻きにして動けなくするパターンもあります。

ケース3~防犯強化住宅にリフォーム~

空き巣(抗菌剤)に狙われやすい所を強化することで、家(細菌)を守るパターンもあります。

窓からの侵入を防ぐ為に柵を設けたり、玄関のカギを二か所以上にしたりするように、細菌も攻撃されやすい部分や酵素を変異させて防衛します。

同時に子供たちにも、その生きる術を教えていきます。

あるいは警備会社と契約して、経験豊富な人たち(耐性菌)の助けを借りるパターンもあります。

いかがでしょう?

細菌も人間とおなじような家族、親戚、近所付き合いがあり、協力して社会生活を営んでいるのです。

そのため人間側も、彼ら(細菌)と上手く付き合う術を持たなくてはなりません。

彼らの多くは、私たちの健康を助けてくれる仲間です。

緑膿菌のような細菌でさえ、通常時は悪さをしないのです。町の”情報通”なので、他の細菌にとってはいなくてはならない存在です。

他にも、例えば表皮ブドウ球菌は、皮膚の上に常在して弱酸性物質を産生し、お肌を弱酸性に保ってくれています。

弱酸性を保つことは、肌を傷めず、外からの病原性微生物から防護してくれる効果があります。

経口摂取する抗菌剤だけでなく、日常生活の中で必要以上に消毒剤を使用する大きな問題の一つが、そういった人間にとって有用な働きをしてくれる菌もやられてしまい、ますます外敵から弱い体内環境を作ってしまうことです。

特に腸内は玄関も窓も開けっ放しの家同様となり、病原菌だけでなくアレルゲンも入り込みやすくなります。

しかし命に関わるような状況では、躊躇なく抗菌剤を使用しなくてはなりません。

いやむしろ、そんな時のために、普段安易に使わないことが、生死を分けることにもなります。

参照ブログ②⇒抗生物質関連

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