知人が空き巣被害に遭いました。
ところがそのお宅には、犬が12匹もいます。
しかも全て違う犬種。
人気の小型犬種はもちろん、比較的レアな大型犬までいました。
犯人はプロ中のプロだったのか、玄関のカギは壊されておらず、普通にカギを開け室内に入りました。
室内も荒らされておらず、最初は被害に全く気が付かなかったそうです。
ところが着替えたり、お風呂を沸かしたりしている時、ダックスフントの様子がおかしいことに気付きました。
ジッと見つめ、ずっと後を付けてきます。
「何?」と聞くと、伏せをする。
他の犬はいつも通り、思い思いに過ごしているのに、ダックスだけが違う。
目が合うと伏せをすることなんかなかったので、不思議に思いながら寝室に行くと、得体の知れない違和感を感じたそうです。
ダックスのいつもと違う様子がそう錯覚させたのかと思い、あまり気にせず食事の準備にキッチンへ戻りました。
お風呂に入り、食事を作り、犬たちにもフードを用意しましたが、ダックスだけが食べない。
食べないどころか、お皿の前で、まるで土下座でもするかのように伏せをしている。
そこで先ほど感じた違和感が再燃し、寝室にある貴重品が入った引き出しを開けると、全部なくなっていたというのです。
このダックスの行動をどう見るかは、心理学、動物行動学など専門家によって意見は違うでしょう。
『普段と違うことが起こったので、不安を感じて飼い主を後をつけたり、食欲がなかった』と分析されるかもしれません。
しかし”いちダックス飼い主”から見ると『なんか分かるわ~』『あるある!』なのです。
ダックス「あの~、ちょっと折り入って話があるんですが・・」
私も帰宅すると、こんな顔で”現場”まで導かれたことがあります。
うちの場合は空き巣ではなく、用を足したトイレシーツを、猫がご丁寧に片づけてくれていました。
(半分に畳んであった)
ところがそこにまた用を足したので、トレーにオシッコが溜まっていました。
そのため本犬?!は
「ヤバイ。失敗した!でもボク、ちゃんとトイレで用を足したのに・・・。これって、ボクのミスじゃないと思う」
ってことなのでしょう。
空き巣にあった知人のダックス氏も
「あのですね・・・知らない人が入ってきたんです。それでボクは、”そこ開けるとママさんに怒られますよ!”って言ったんですけど、勝手に開けて持って行ってしまったんです。・・・ボク止めたんですよ。だけど全然聞いてくれなくて・・。ホントごめんなさい」
とでも訴えていたのでしょうか。
動物の行動を擬人化するのは”科学的ではない”と言われますが、
『自分にとっては大切ではないが、何やら飼い主は大切にしてるらしいもの』
は分かっていると感じます。
またダックスの特徴と言えるかどうか分かりませんが、犬種の違う集団の中で、指導的立場を取る姿をしばしば見かけます。
しかも”ぐいぐい引っ張るリーダー”という感じではなく、上手く調整してまとめあげるタイプです。
以前我が家のダックスは、ポメラニアンに吠えられて、ドッグランの入り口でオロオロしているグレートデンを迎えに行ったことがあります。
(もちろん初めて会った犬)
なんか吠えてるな~と声の方を見たら、ダックス氏はポメラニアンに近づいて行きました。
するとポメ氏は、何故か吠えるのを止めフリーズ。
(吠えたり唸ったりしたわけではありません)
そしてまだオロオロしているグレートデンと飼い主さんを導くように入り口のそばへ。
グレートデンの飼い主さんにも行動の意味が伝わったのか「ありがとね」と言いながら、無事中へ入って来ました。
そして大型犬専用エリアまで先導。
自分の犬でありながら知らない一面を見せられ、その光景が信じられませんでした。
犬と過ごす楽しさは、こんな意外性にもあります。