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東洋医学から見る⑤土作りの大切さ


暖かくなり、お散歩もしやすくなる春。

人間の花粉症は、目がかゆかったり鼻がムズムズする方が多いですが、犬の花粉アレルギーは下痢(軟便)や皮膚炎という症状の出方が多いです。

感情面でもこの時期は肝臓の不調から”イライラ”や怒りっぽくなりやすい傾向にあります。

今風に言えば『キレやすい時期』なのです。

日本ではこの時期に年度初めが重なることもあり、慣れない環境に不安や落ち着かないことがあっても不思議ではありません。

そのストレスが上乗せされるので、一時的に辛くなる方もいらっしゃるかもしれません。

犬にとっては、肝臓にさらなるストレスがかかる【狂犬病ワクチン】もあります。

これはもう、どんなに健康な犬も放置して良い問題ではありません。

たまに「毎年注射しに行くと、2~3日機嫌が悪くて・・」とおっしゃる方にお会いしますが、これも単純に気分的な問題というより、肝臓的反応である可能性も考えられます。

今年は4月17日から土用に入り、5月6日の立夏で季節は夏に移っていきます。

青森県で5月6日頃といえば満開の桜が散り始め、冒頭の写真のような美しい花筏が見られる頃です。大雑把な目安ですが、東京の最低気温が、青森の最高気温くらいです。

気温的に”夏”というには、違和感を感じるかもしれませんが、日照時間は確実に”夏”です。

そもそも”土用”というのは、『土の働きが最も強く作用する時期』と言われてきました。

土用は年4回ありますが、上記5つの季節(要素)を見て頂くと分かるように、『春=木』です。

土(=胃・脾)の状態が、ダイレクトに影響します。

そして”物事の土台”とか”土壌が違う””土俵に上げる”というような表現があるように、”土”は体の基本となる重要な素地と考えています。

どんなものを食べても、まず強い胃酸で分解されますが、同時に外部から侵入しようとするものを殺菌する役目もあります。

続いて十二指腸へ送られた食べ物は、膵液や胆汁でさらに分解されます。

この辺の作業が正常に働かないと、体が求めている栄養素が吸収可能なサイズにならず、素通りしてしまいます。

素通りならまだ良いのですが、本来のサイズでないために、腸壁を傷つけたり、余計なものまでくっつけてくることもあります。

この状況は、慢性的な大腸炎やアレルギーといった症状として現れることがありますが、あまり長く続くと解毒の臓器肝臓に負担がかかります。

では胃腸の弱いタイプは、虚弱体質か・・というと決してそうではありません。

しっかり食べられる強い胃腸を持つタイプの体は、確かに丈夫です。

しかしどんなに良い土(胃・脾)でも、過剰な農薬や肥料が入れば、そこに植えた作物(=肝臓)がうまく育たたないだけでなく、土壌自体も、そして地下水(=腎臓)や海まで汚します。

また植える作物によって適した土壌が違うように、どんな環境(暑い・寒い・乾燥している・湿気がある・風が強い等)に植えるかによって、土を調整する必要もあります。

胃・脾は、体の中でそれと同じような存在です。

だから各季節の変わり目に、”土用”という時期があるのです。

土の活動に視点を置いて1年の流れを見ると

冬(腎臓/水):土に水が蓄えられる

土用(胃・脾):芽を出すための準備をする

春(肝臓/木):土から栄養と水を吸い上げ木が生長する

土用:大きく育った木が花をつけ、さらに養分を消費する

夏(心臓/火):大きくなりすぎた木の一部を燃やす

土用:燃えて炭になった木によって、土の養分を回復させる

秋(大腸・肺/金):収穫=鎌やハサミで収穫する

土用:収穫後の稲わらを土にすき込んだり、剪定した枝を燃やして土にミネラルを補給する

これから5月の立夏までの体内は、赤文字の所です。

肝臓のケアだけでなく、胃や腎臓を補うことが特に大切な根拠は、このような流れで一年が回っているからです。

参考ブログ②ワクチンの賛否両論

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