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肉副産物とその奥に広がる問題①~真実の見極め方の困難さ


〇○ミートと同様、フードのパッケージでよく見かける表記に『肉副産物』があります。

『ミート副産物』と表記される場合もありますが、これは

脳・血液・骨・肺・肝臓・脾臓・腎臓・腸(内容物は除く)

ミート部分以外の汚染されていない精製した動物組織

というものをひとまとめにそう呼んでいます。

内容はミートミールなどと比べると、それほど驚くようなものではありません。

しかし近年のフードが抱える問題は、

単純に使用部位とかレンダリング(超高温や薬剤等による精製)の状況

悪名高き4Dミート(dead =死んだ動物 diseased=病気だった動物 dying=死にかけだった動物 disabled=障害のあった動物)

かどうかというのを超えた所にあります。

レンダリングや4Dミートの問題は、ネットや書籍でもたくさん書かれているので、ご存じの方も多いでしょう。

センセーショナルな記事も多く、中には執筆者の想像も含まれたものも見受けられます。

同時にその反論記事もよく読みます。

中には

『FDA=アメリカ食品医薬品局の調査ではこういう結果が出ているので、巷で語られている話は事実ではない』

と公的機関の結論を載せているものもあります。

それで?結局真実はどうなのだ?

というのは読んだ方々のご判断にお任せするとして、今日はこの問題を少し違う角度で見ていきたいと思います。

”ペットフード”という狭い世界だけで物事を見ると、”真実”を見間違うと考えています。

最近もお役所の統計データの出し方について問題になっていますが、

いつの時代、どの国でも、意志も感情もある人間がやっていること。

時代や文化的な背景に多少差があったとしても、大方が支持する方向性や常識と異なる事実を推し進めるのは勇気が要ります。(参照ブログ:センメルワイス反射

そんな中でも、事が生命に関わることは看過できません。

このブログでもたびたび取り上げていますが、遺伝子組み換え技術に関して、世界中でその国の監督官庁が公正な・・というより正常な判断を欠いているとしか思えない判断が相次いでいるのは危機的です。

もちろんGMO作物由来のものを一口食べたら、即命に関わるという話ではありません。

遺伝子組み換え作物に厳しい・・とされているEU各国でも、実は生物学や環境学を中心とした専門家と政府組織の意見が対立している国は多いのです。

(組み換え作物を推進したい国は多い)

その中でも私が最も衝撃を受けたのが、クレブシエラ・プランティコラという細菌を遺伝子組み換えした時の事実です。

読みづらい上に全く馴染みのない名前だと思いますが、地球の広い範囲の土中に存在し、全ての植物の根に生息している細菌です。

言い方を変えれば「ありふれた」細菌です。

植物の根にネバネバした物質を出してくっつきます。

またこの細菌は、枯れたり腐敗した植物にも集まってきます。

それだけにこの細菌の遺伝子組み換えをしたドイツの某会社は、環境に放出しても問題ないと考え、その準備も進められていました。

環境保全に力を入れ、工場廃液の排出基準も厳しいドイツ。

その中でこの遺伝子組み換え細菌は、大きな希望でした。

なぜなら農業廃棄物を処理する際、この遺伝子操作した細菌を投入して発酵させると、通常よりエタノールを多く作るよう組み換えしていました。

その上、沈殿物は安全な肥料になると、いいことづくめのように思われました。

世界各国がバイオエネルギーの推進で、サトウキビなどの価格が高騰する中、この細菌が作り出すエタノールは、よりクリーンな燃料として期待も大きかったと思います。

ところが

「いやちょっと待てよ。畑に肥料としてまく予定の沈殿物の中に、生存能力が残っている組み換えKプランティコラはいないかい?」

ということに気づいて実験した土壌の専門家がいたのです。

その前から遺伝子操作された細菌は、自然に存在する微生物の生態系を壊すだけでなく、駆逐してしまう研究結果も出ていたから尚更です。

『地球上にどこにでもいるありふれている細菌』というのは『地球上どこでも生き延びることができる細菌』とも言えます。

そこでオレゴン州立大学の研究者は、小麦の苗を、組み換えプランティコラと元のプランティコラを入れた土で育ててみたのです。

すると最初の1週間は順調だったものの、その後組み換えプランティコラの方の苗は枯れてしまいました。(掲載誌:Applied soil Ecology11 (1999年) 67-78)

この論文から枯れた原因を推測すると、どうも生育に必要な栄養分の循環にエラーが起こったと思われます。

栄養循環のエラーは、生物として致命的な問題をはらんでいます。

さてその原因は、

①組み換え細菌が想定外の機能を発揮した結果?

②組み換え細菌が、他の土中細菌類のバランスを崩した?

③たまたま実験した土の成分が、組み換え細菌と相性が悪かった?

などざっと考えてもいくつかの可能性が考えられます

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