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東洋医学から見る①夏と心臓


血気盛んな夏も終わり、朝晩肌寒い日も出てきました。

またまた慣用句スペシャル?!です(^_^;)

心血を注ぐ⇒ありったけの力を尽くす

全身に血を送り続ける心臓。

その心臓のパワーと生きるために欠かせない酸素や栄養を運ぶ血液を注ぐというのは、文字通り最大限の力の例えとして科学的でもあります。

心気を砕く⇒色々と気を遣う たいそう心配する

心気を燃やす⇒気をもむ

最初の慣用句とは逆に、生命力を象徴する心臓が砕けちゃったり、燃えちゃうというのは、体だけでなく精神的なダメージにもつながることを表していると思います。

肝臓が”怒り”を表すのに対して心臓は”喜び”を表します。・・ということは”心”のバランスが崩れていると『喜びを感じられない』ということにもつながります。

そして肝臓が”春”なら、心臓は”夏”

もうひとつ、忘れてはならないのは”土用”

四立(立春・立夏・立秋・立冬)の直前約18日間が土用と呼ばれます。

約18日間・・と書いたのは四立が毎年同じとは限らないことと関係していて、立秋前の土用などは19日間になることも多いです。

ちなみに今年の立秋は8月7日でしたので、土用は7月20日~8月6日(18日間)

次の土用は10月20日~11月6日です。

心臓⇒夏⇒熱⇒喜び

というのはイメージしやすいですが、年4回の土用は

脾⇒湿⇒思

脾臓というのは免疫力と深い関係がありますから、季節の変わり目(土用)に風邪をひいたり、花粉症が辛かったりというのは納得ですね。

ちなみに1月17日~2月3日の土用のあたりは、インフルエンザが最も流行る時期だし、4月17日~5月4日なんて花粉症の方は一番辛い時期だと思います。

『でも湿って?梅雨の時期でもないし』

確かに・・立春前は青森ならかなり雪深い時期ではありますが、どっちかっていうと雪国以外は乾燥してない?って思われるかもしれません。

漢方とか薬膳の中には、いくつかの説があるものも多く、『昔はこう解釈されていたけど、今はあまり使わない』というものもよくお目にかかります。

また青森と東京の差みたいに、本が書かれた地域によって気象環境はかなり差がありますので、学んでいても『なんかしっくりこないなあ』と感じることもあります。

そこで私なりに考えたのですが、気象条件や環境ではなく、体の方から見た”熱”とか”湿”と見てみようと・・。

例えば喜びを感じる時は、体が熱を持ちますよね。

うわ~と興奮する感じ。

心臓の悪い人(犬)を良きにつけ悪きにつけ、あまり興奮させちゃダメですよね。

心臓=熱ってそんなイメージです。

そして風邪・インフル・花粉症・・どれもお鼻ぐずぐず、涙は出るわ、痰は出るわ・・・いかがでしょう?湿ってません?(^_^;)

そもそも東洋医学はあまりピンポイントで、体の不調を診ることはありません。

例えば西洋医学だったら、

熱中症⇒脱水⇒点滴で補液

とか

心臓病⇒むくみ⇒利尿剤で出す

などシンプルです。

この考え方は救急医療の発展にかなり貢献したと思います。

しかし例えば脾臓などは、エアバッグがなかった時代、交通事故で損傷することが多かったんですね。

そして当時は、脾臓の役目がよく分かってなかったこともあり摘出してしまうことも多かったそうです。

外科手術の発達で、内臓損傷の患者さんでも一命を取り留めることができるようになったのは喜ばしいですが、後年『どうも脾臓って免疫力に影響を与えているらしいぞ』と分かると、可能な限り残すようになりました。

虫垂が同じような経緯を辿ったのと似ていますが、取っちゃってもいい不必要なものなど本来ないのでしょう。

で、話を心臓に戻すと、漢方では”血”と”気”は一緒に見ろ!と言われています。

なぜなら、どっちか一つを良くすることもできないけど、逆にどっちか一つだけが悪くなることはないと考えられているからです。

つまり

血気盛ん=生気にあふれている

時はいいのですが、どっちかの調子が悪くなると片方もセットで悪くなってしまうのです。

悪くなる・・と言っても病名がつくような深刻なものに限らず、日常の不調として感じるものも含めます。例えば二日酔いとか雨の前に関節が痛いとか頭痛がする・・とか。

ちなみに血を巡らせているのは心臓ですが、気を巡らせているのは肝臓です。

やっぱり肝心要なんですね。

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