「えっ?!どんな仕事?でもそんなに良い時給の仕事って専門職よね~」
正解です!
これ警察犬の時給です。
・・と言っても時給が出るようになったのは2012年から。
長らく”年中無休”な上に”年中無給”でもありました。
警察犬は警察施設に待機しているようなイメージがありますが、9割以上が嘱託犬です。
民間の訓練所に所属して、毎日訓練し、出動要請があれば昼夜を問わず出動します。
かと言ってそのほとんどが”訓練所の犬”ではありません。
飼い主さんがいて、その才能が見いだされて訓練を重ねた犬たちです。
そのため、飼い主さんが食費や訓練費を負担して、出動に備えて訓練所に預けられている・・というのが実情です。
嘱託を受けている間は、飼い主さんの元へ帰れるのも年数回。
最近はトイプードル(熊本県警・京都府警・鳥取県警・茨城県警等で採用)やミニュチュアシュナウザー(和歌山県警・石川県警等で採用)などの小型犬も増えています。
これは警察犬の役目が、警備や犯人確保から、足跡追求=人探しが中心になってきていることと無関係ではありません。
実際、”人探し”のための出動が80%以上。
中でも認知症等で、行方不明になった高齢者の捜索が急増しています。
そういった方の捜索は、人の多い場所を辿ることもある上、対象者や周囲を怖がらせないためにも小型犬の投入は好評です。
ところが、警察犬は年々減ってきているのです。
『時給3000円』といっても、その育成、日々の訓練費用は飼い主さん頼み。
出動となれば、警察犬と共にハンドラーも現場に入ります。
無給だったことの方が不思議ですが、今でも決して十分な費用とは言えないでしょう。
警察犬の全体数が減ってきているため、引退する年齢が上がってきています。
出動依頼の多さに11歳のジャーマンシェパードが未だ引退できずにいるのは、武器を持った犯人に立ち向かう危険な任務が減っている証でもあるので、喜ばしい部分もあります。
しかし捜索対象者と同年齢に相当する犬たちが探していると考えると、複雑な思いがします。
警察犬に限らず、介助犬なども費用的な問題だけでなく、育成する人材の育成や労働環境も十分とは言えません。
戌年の今年。
民間の力だけではもう限界なので、そろそろ犬とそれに関わる人間の『働き方改革』とかやってくれないですかね・・・・。