
毎年この時期になると、あちこちでチョコレートの特設販売が行われていますね。
その昔、アステカ文明が栄えたメキシコの王様や貴族たちに『テオブロマ』=”神様の食べ物”と呼ばれ、不老長寿の薬のように扱われていたそうです。
残念ながらカカオを含むものは、犬猫にとってNG食品ですが、人は紀元前1000年ほど前から摂取していた形跡があり、人間にとって昔から魅力的な食品だったことは間違いありません。
一時は『太る』とか『吹き出物が出る』という理由から敬遠されていたこともありました。
しかしテレビなどで『インフルエンザに効く』とか『痩せる!』『若返り効果』なんていう健康効果が取り上げられると、たちまち売り切れる現象が起こるほど。
カカオ豆を発酵・乾燥・焙煎したものをカカオマスと呼びますが、そこに含まれる7種類の特殊なポリフェノール類がリンパ球T細胞やB細胞の活性を高めるとの報告があります。
それらの研究結果(T細胞・B細胞の活性が高まる=免疫力が高まる)から、インフルエンザからガンにまで効く!みたいな話になっているのでしょうが、いくら良いものでもやはり摂りすぎは禁物です。
そもそも豆類はその植物の”種”なので、そのまま食べると消化不良を起こします。
そのため古今東西、消化阻害酵素など動物にとって”毒”となるものを消すために、様々な調理過程が必要です。
カカオ豆は発酵⇒乾燥⇒焙煎
大豆食品の代表・納豆なら浸水⇒蒸煮⇒発酵
実や葉を食べる時と比べると、やはり”種”のガードは高いです。
それだけに高い栄養価を得られることが多く、大切にされてきたのだと思います。
そして”発酵”という過程を経ると、ただ消化が良くなるだけではなく、微生物によって新たな成分が作られ、一段と効果が高まることが多いです。
その分未知の成分も多く、体に対する影響を全て科学的に解明するのは非常に時間がかかると思われます。(というか不可能に近いかも)
とは言え、3000年以上人間を魅了してきたチョコレート。
成分・効能がが全て解明されなくても、その香りや味は気分までハッピーにさせてくれます。
現代の私たちは、”チョコレート”と言うと固形のイメージが強いですが、最初は飲み物、今でいうココアに近いものだったようです。
しかし甘くして飲むのは、カカオがヨーロッパに伝わってからで、ご当地では唐辛子などのスパイスを入れていたそうです。
ちなみに砂糖や脱脂粉乳などが混ぜてあるミルクココアも、封を開けたら高温多湿の環境に置くのは禁物ですが、”純ココア”と呼ばれるココアパウダーのみの商品の保存は特に注意が必要です。
栄養価が高く、湿気を吸いやすいため、気が付くと白っぽくなっていることがあります。
知人がネットで調べたら「ココアに含まれるココアバターが固まったもの」
と書いてあったと言っていましたが、これはフェイクニュース。
カビや粉ダニの可能性が高いので、速攻で処分して下さいね。
(そうなる前に美味しく頂いちゃいましょう!)