丁度一年前(2016年12月)、ニューヨークの猫保護施設で咳や鼻水といった風邪のような症状が続出しました。
症状はニューヨーク市内の500匹以上の猫に出て、獣医師にも感染。
先ごろこの原因が、H7N2型の鳥インフルエンザと判明しました。
これまで猫特有のインフルエンザウィルスは知られておらず、初めてのケースです。
毎年、鳥インフルエンザは話題になり、いつパンデミックが起こるか、関係各所で警戒していましたが、人に感染するには豚などの家畜を媒介するとされていました。
しかし今回、鳥インフルエンザウィルスから変異した猫インフルエンザウィルスが検出された事実は、大変注意すべき事態が起こっているものと思います。
鳥インフルエンザH5N1型とH7N9型は、感染症法上、結核・ジフテリア・SARS・MERS同様、二類感染症に指定されています。
それ以外の鳥インフルエンザ(H7N7型やH9N2型など)は、狂犬病・E型肝炎・オウム病・デング熱などと同じ四類感染症に指定されています。
今回H7N2型が、私たちにも身近な猫を経由してきたことは看過できません。
関係者が近年不安視しているのは、冬季に流行する季節性のヒトインフルエンザと鳥インフルエンザを同時感染した場合、体内でウィルスの遺伝子組み換えが起きることです。
ヒト由来のウィルスと鳥由来のウィルスが、より宿主(人)の細胞に適応するため遺伝子を組み換えた時、爆発的に流行する可能性が高いからです。
これまでは主に畜産に従事する方が、特に注意を払ってきた鳥インフルエンザ。
しかし猫インフルエンザが流行し、しかも人間に感染したとなると新たな脅威を想定する必要が出てきました。
ウィルスの進化は、人間の進化と比べものにならないくらい、とてつもないスピードです。
一年前、猫の体内で変異した株は、こうしている間も進化しています。
そしてどんな方向で進化しているのか、予想がつきません。
例えば、猫を媒介して、他の生物によりダメージを与える形に進化していれば
『猫に感染している間はそれほど目立った症状は示さないけど、人にうつった時重い症状なる』
でしょうし
『猫は軽い症状で済むが、犬に感染すると重い』
ということもあるかもしれません。
あるいは猫の中で、強毒化していくこともあるかもしれません。
最近、あまり話題に上らなくなったBSE(狂牛病)。
実はBSEの中でも非常に稀・・・とされているはずの”非定型”が今年に入って幾度となく出ています。
最近でも11月にスペインで、7月にはアメリカでも確認されています。
高齢牛で、食肉になる可能性がない牛ならば問題ないのでしょうか。
『狂牛病は餌の肉骨粉が原因』だから、肉骨粉を止めればなくなるはずだったはず。
なぜなくならないのでしょうか。
原因は本当に肉骨粉だけなのか?
あるいはまだナイショで肉骨粉を使っている?
無理な肥育方法そのものにも原因はないのか?(関連記事)
そして潜伏期間(2年~8年)でも、危険部位以外なら、牛乳も含めて本当に安全なのか?
羊・やぎ・猫でも、脳がスポンジ状になる狂牛病様の病気は報告されているのに、犬では本当に発生していないのか?
プリオンという異常タンパク質の正体すら明確になっていないのに、「危険部位以外の肉や牛乳は大丈夫」と断言できる根拠は見えてきません。
またペットフード原料に、危険部位の使用禁止や高齢牛使用禁止等の規制はありません。
これまでの常識が次々と覆る昨今。
いち飼い主である私にとって、非常に気になっている問題です。