鳥類は、地球の住民になって古い。
今も残る、唯一の恐竜系統群である。
2億年~1億5000万年前のジュラ紀に、ティラノサウルスのような二足歩行していた獣脚類から進化したと言われている。
ティラノサウルスは肉食獣だが、獣脚類全般を見ると、果実や植物、魚食、雑食など今の鳥類につながる多様な食性を持っていた。
地球上に起きた何度かの生物絶滅期を生き延びてきたキャリアは半端ではない!
そのたびに進化し、地球上のあらゆる環境に適応し、今も北極から南極まで広く分布している。
鳥を知ることは、生物全般を知る上で参考になることが多い。
鳥はよく『3歩歩くと忘れる』と言われたり、英語でも『Bird Brain』なんていう表現があったりして『おバカちゃん』と思われている。
オウムでさえ『オウム返し』という表現をされているくらいで、ただ真似をするだけでそこまでの知性はない・・と思われている。
でもどうかなあ~・・・
鳥類にすれば、木の上から人間の生活を見ていて「アホだなあ~」と思っているんじゃないかと思うことがある。
我が家の茶々丸は幼少時、オカメインコにお守してもらった時期がある。
もう平均寿命に達していた留吉じいさん(オカメインコ)は、初めて犬を見た時、驚くどころか暫くマジマジと見ていた。
茶々丸の方は、初めて見る動物に、ジロジロ見られていることに落ち着かなくなり「ピイピイ」甘えた声を出した。
すると留吉じいさんは、鳥をあやす時に人間がよくやる
「トゥトゥトゥトゥ。。。」
という口真似をした。
何回かそれを繰り返しても、あまり落ち着かない様子を見ると、今度は
「カワイイ、カワイイ、カワイイ」
といつもは自分が人間に言ってもらっている言葉をかけた。
顔はあんまり変わってないけど、体が細いし、毛も短かったね~
「だれ?」
という顔で留吉さんを見あげた茶々丸。
自分に注目してもらったことが嬉しい留吉さん。
調子が出てきて、全身でリズムを取りながら歌ったり、ものすごい早口で何かをしゃべり続けた。
それからしばらくしたある日。
茶々丸と散歩中、ゴミ集積場でお弁当を漁っているハシブトカラスがいた。
よく見ると両脇にスズメを引き連れて?!いる。
自分は空揚げとか、スパゲッティを食べて、時折スズメに白米を投げている。
あまり刺激しないように通りすぎようとしたら、茶々丸が立ち止った。
カラスは首を傾げて(目が横についているからね~)茶々丸を観察している。
早々に立ち去ろうとした時、白米がひと塊、目の前に飛んできた。
丁度茶々丸の30㎝前。
恐る恐る鼻を近づけた茶々丸だったけど、カラスにもらったものだから・・じゃなくて拾い食いはどんな場合もまずいから、やや強引に引っ張って通り過ぎた。
すると数日後の朝、洗濯物を干そうとしたらベランダの手すりにヤマモモの実が一個乗っている。
近くの街路樹にヤマモモが植えてあるのは知っていたけど、実が偶然ここに飛んでくる可能性は考えられない。
(菅原道真の飛び梅じゃあるまいし・・)
ちょっと不思議だったけど、その日は片づけた。
ところがまた翌日も、そのまた翌日もほぼ同じ場所に乗っている。
家族のイタズラかと思って聞いたら、家族は私がその時ハマッていた風水の影響かと思っていたと言う。・・トイレに盛り塩的な(^_^;)
それから1週間ぐらいしたある日、散歩の時ヤマモモの木が続く歩道を歩いていたら、一羽のカラスが下りてきた。
4メートルくらい先をよちよち歩いて、時折こちらを振り返る。
茶々丸も気づいていたが、特に追いかけるわけでも吠えるでもない。
普通に後を付いて行った。
角を曲がる時、カラスは飛び上がって電線に止まった。
そしてまた首を傾げて、下を通る我々を見ている。
・・・ヤマモモは、まさかあのカラスか?!
自宅がバレている?個人情報ダダ漏れじゃ~ん!
(いやそういう問題じゃないって)
それから茶々丸は、やたらと鳥に好かれる。
キジバト2羽に5分以上後をつけられたり、マガモにからかわれたり、ベランダで昼寝をしているとスズメがやたらと集まってくる。
ある時などは、あまりのうるささに外を見たら20羽ほどのスズメがさえずっている。
すると寝ていた茶々丸がちょっと頭をあげて
「コッ、コッ」
とちょっと言葉で表現しがたい不思議な声で鳴いたら、ピタっとさえずりが止まった。
(犬にあんな声が出せるのかと思うような声)
最も近くにいたスズメは30㎝くらいの距離だったが、1羽も飛び立たず、今度は一斉に毛づくろいを始めた。
鳥の毛づくろいは、主にリラックスしている時にするもの。
犬がこの距離にいて、しかもちょっとでも動いたら取りあえず何羽か飛び立ってもいいだろうに・・
この辺のスズメが図々しいだけなのか、コミュニケーションが取れていて信頼関係が成り立っているのか・・・。
動物の言葉が分かる方に、一度真相を聞いてみたいなあ。