薬の辞典で、タウリンを探していたら、心臓のお薬としてだけでなく”断酒薬”としても使われていることを知りました。
・・・なるほど。
前回、タウリンは脳細胞外のGABAの受容体に作用するという話を書きましたが、その作用機序を利用して、アルコール依存の治療にも使われているようです。
一般にアルコールを摂ると、≪はしゃぐ、おしゃべりになる、暴れる≫等、興奮系の作用と≪眠くなる、ぼ~っとする≫等、リラックス系の作用が見られます。
これはアルコールが、その人によって脳の興奮系またはリラックス系どちらのスイッチが入るかによって起こります。
陽気になるのは、周囲に迷惑をかけるわけでもないから、いいのではないかと思われますが、脳が興奮している状態であるのは間違いないので、ついつい飲みすぎてしまう危険はあります。
しかしタウリンをアルコール摂取前に投与すると、アルコールによる興奮スイッチが入る前に先回りしてGABAの受容体に作用します。その結果、リラックスモードが先行して、血中アルコールが一定量に達すると、『もう満足。これ以上アルコールはいりません』と脳が反応し、それ以上飲めなくなるようです。
実証主義の筆者としましては、是非試したいところですが、残念ながら全くお酒が飲めません。
飲めないどころか、採血や注射の際の消毒もダメで、検査表やカルテ等の目立つ所に【アル禁】マークがついてます。
(シャレにならない本格的にダメなタイプです)
しかし、GABAに作用する効果なら、玄米で体感しています。
こちらはタウリンとは作用機序が違いますが、白米と違って、ある程度まで食べると不思議と箸が止まります。
どんなに好きなおかずでも、また『いつもならもうちょっと食べられるのにな』と思っても自然と止まり、『は~・・食べ過ぎちゃった』というようなことが起こりません。
『玄米はおいしくないから、箸が止まるのでは?』と思われる方もいるかもしれませんが、玄米の方が好きなので、少なくとも私に関してはそのようなこともありません。
また『噛む回数が増えるからでは?』という可能性もありますが、玄米を炊く際は、炒って(このひと手間を加えることで、浸水時間がなくても消化の良い炊きあがりになります)ひとつまみの塩を加え、かなり柔らか目に炊いているので、噛む回数はさほど変わらないと思います。
想像でしかありませんが、
”無理に控えようとしなくても飲み過ぎない”アルコール前のタウリン作用は、このような感覚なのかもしれません。
もちろん、純度の高いタウリンは治療薬なので、普段取り入れるには、おつまみで!
駆けつけ一杯!
の一杯は、ビールじゃなくイカ一杯・・という量までは必要ないでしょうが、イカやホタテをつまんでから飲み始めると、かなり違うと思われます。
『今日は飲みに行くから定時で仕事終わらせるぞ!』と飲み開始2時間以内にスルメをかじるのもいいでしょう。
(集中力は増しますが、匂いにはご注意下さい(^_^;))
もちろん肝臓にも作用しますので、翌日も違うでしょう。
またタウリンはⅡ型糖尿病だけでなく、Ⅰ型糖尿病に対する研究でも良い結果を出しています。
血糖の調整や膵臓細胞の保護、高脂血症の調整等もしている可能性がありますので、タウリンを含む魚介類は、お酒のお供だけでなく、お食事の一品にもおススメです。
一日1食の中に取り入れるだけで、多くの健康パワーを与えてくれます。