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T細胞もゆとり世代?!


ガンやアレルギー、慢性疾患などに悩む方が増えた昨今。

”免疫力アップ”とか”腸内環境を整えよう”と、薬だけに頼らない習慣を続けている方も多いかと思います。

”炎症”は、痛みや熱を伴うこともあり、私たち受け手にとって厄介なことです。

仮に自覚症状としては感じなくても、体内では関係各所がフル回転します。

しかし”免疫反応”にとっての”炎症”は非常に重要な反応で、これが健康を保つためのカギになります。

免疫反応に関わるキーマンとして、樹状細胞があります。

その名の通り、樹木が大きく枝を伸ばしているような形状をしています。

そして微生物が外から侵入する可能性のある場所(皮膚・肺・大腸など)に集まっています。

免疫細胞は多々ありますが、樹状細胞だけは、大腸の外側から侵入できます。

大腸の細胞の間を潜り抜け、アメーバーのような腕を伸ばし細胞内の抗原を探します。

自在に伸びる腕は、大腸内を突き抜け、多くの微生物と消化物の残りが通る内壁へ達します。そして内壁粘膜や粘液も探索し、T細胞に提示するための抗原をひたすら積み込みます。

同時に、細胞表面から旗竿みたいなものを立てて、見つけた抗原を掲げます。

≪ここにこんなものありました~!≫という感じです。

この作業がないと、あとでT細胞がやってきた時に仕事ができません。

T細胞とは、今発見されているだけで6種類ありますが、すべて胸腺で作られています。

このT細胞が、ガン細胞やウィルスに感染した細胞などをやっつけてくれるわけですが、新人研修期間みたいなものがあります。

(どんな世界でもいきなり仕事が完璧にこなせる新人などいないんですね)

胸腺で生まれたT細胞は、まず全身を見学する研修旅行に出て、あちこちを巡ります。

そして脾臓やリンパ節で樹状細胞と落ち合い、樹状細胞が収集してきた抗原を見せてもらいその特徴などを学びます。

このあたりまでくると、ようやく”T細胞が活性化した”と言われる状態になります。

(現場デビューですね)

そして様々な種類の抗原に特殊化した受容体が作られるように、次の修行が始まります。

(キャリアアップというところでしょうか)

この段階に入ると、樹状細胞は先ほどご紹介したように、どんどん抗原を旗竿の先に掲げて、T細胞を鍛え続けなければなりません。

≪ほら、今度はこんな抗原だぞ!これ用の受容体を作れ≫

この仕組みが、ある種のガンの免疫治療に使われています。

しかし近年の抗菌グッズにあふれた生活環境や抗生物質の多用によって、T細胞もゆとり世代になってきたように思います。

肌の常在菌まで洗い流すシャンプーやボディソープ、手洗い石鹸、手指消毒剤、抗菌剤入り洗剤、除菌消臭剤・・などなどによって、生活している中で接触する菌類の種類も数も明らかに減っています。

すると当然、樹状細胞が示せる抗原が減ってきます。

そしてT細胞は、十分な経験が積めないまま現場デビュー。

しかし狭い種類の受容体しか作った経験がないこともあり、例えばちょっと顔つきの違うウィルス(亜種)に対し

「それ、自分の仕事じゃないんで」と放置したかと思うと

正常細胞に似せた格好をしているガン細胞に対し

「その仕事終わりました!なんでまた確認しなくちゃいけないんですか?信用してないんですか?自分、プライベート削ってまで残業したくないんで」

と帰っちゃったり・・・。

(おいおい。。。)

「たまには、現場(リンパ節や脾臓)に行って、最新の抗原を(樹状細胞に)見せてもらって来い」

とでも上司が言おうものなら

「それどんな意味があるんですか?自分は受容体作るのが仕事なんで・・業務命令ですか?」

しまいには

「なんか受け身の仕事ってモチベーション上がらないっていうか、それって古いと思うんっすよ。やっぱ新たなことを仕掛けていかないと、これからの時代ダメだと思うっす」

とか言って、自分の細胞を攻撃し始めたりして・・・。(これがいわゆるアレルギー反応

あ~・・・なんかこの状況、一般社会でも良く見る光景です。

もしあなたのT細胞が、そんなゆとり世代だったら、ガツンと言ってやりましょうよ!

「ブラック企業っすね」

なんて口答えするようなら、優秀な弁護士(医者)や経営コンサルタント(各種カウンセラー等)に相談して、クビにするなり、研修を強化しましょう。

あなたの会社(体)を守るためにどういう方針を立てようが、最後に決めるのは社長!

あなたです。

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