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目は肝心な窓~東洋医学から見る肝臓


急に陽射しが強くなり、目の疲れを感じやすくなる今日この頃。(年のせい?!)

中医学の系統的照応の法則からすると、目は肝臓の窓口として捉えられています。

肝臓は、筋肉・腱・爪を支配し、目を通して外界とつながっていると考えます。

重要ではない臓器など一つもありませんが、もし

≪健康維持のために日々注目した方がいい臓器ランキング≫

なるものがあったら、真っ先に肝臓を推したいと思います。

心臓や脳は、少しの不調でも分かりやすい症状で”危機”を知らせてくれます。

そして不調が急激なスピードで出ることも珍しくなく、命の危機に直結してしまうこともあります。

その点、肝臓は少々の不調では自覚症状すらないことも多く、危機的状況に陥るまで分かりづらいのが怖いところです。

≪肝心要≫という言葉の通り、肝臓と心臓は密接です。

(肝腎要と書く場合もあります)

心臓(腎臓)は先天的な力を表し、肝臓は後天的な力を表す・・という表現を使う時もありますが、

不思議なことに、肝臓と目、肝臓と心臓(腎臓)の関係は、中医学だけでなく、インド、南米、欧米、そしてもちろん日本の古い文献にも出てくるくらい、世界中の先人たちは認識していたようです。

そのため心臓・腎臓の不調や病気は、肝臓の問題から起こるとされ、肝臓の治療を非常に重要視してきました。

またホリスティック医療では、体液が長期間酸性に傾きすぎると、様々な不調や病気の原因になると考えます。

そのため、血液や尿で酸とアルカリのバランスを測り、必要な食事療法や生活指導を行います。

本来なら、一日の中で、酸性とアルカリ性を行ったり来たりしている状態が望ましいのですが、肝臓機能が低下すると、常に酸が過剰になります。

すると肩や腕の張り、肩甲骨周辺の筋肉痛という形で現れることがあります。

あるいは、爪の異常、腱鞘炎、関節炎といった症状で出ることもあります。


犬猫だと筋肉痛や初期の関節炎は分かりづらいですが、皮膚の異変で肝臓の声を感知することもできます。そして肝機能の問題がかなり進行した状態でない限り、ただの”皮膚の問題”や”アレルギー”として見えることも多いです。


もちろん皮膚の治療やアレルギーに対する対処もしていかなくてはなりませんが、同時に肝臓のケアも進めていくと、治療効果が変わってきます。

また肝機能の状態を知るアイテムとして、”目の状態”もあります。

目ヤニが増える

涙腺閉鎖や狭窄はないのに涙やけがひどくなる

といった物理的な目安の他

ぼんやりして生気がない

というのが続く時はちょっと気をつけて下さい。

犬でも天気によって、「ちょっとだるいな」という日があっても不思議ではありませんが、何日も続く時は体内で何か変化が起きていると考えた方が無難です。

急激な感染症や重篤な機能障害が起こっていない限り、血液検査の数値に反映されるまで、タイムラグがあるのも肝臓の特徴です。

”血液検査では異常がなかったのに、エコー検査をしてみたら脂肪肝だった”というケースも見たことがあります。

別に、これは”血液検査は役に立たない”と言いたいのではありません。それだけ肝臓はギリギリまで働いて、全身を巡る血液を良い状態に保ってくれているんです。

肝臓は、”怒り”を表す臓器でもあり、ここの不調はイライラや不満を募らせることにもつながります。

一見、しつけの問題や性格的なもの、犬種の特徴だと思って悩んでいた方が、食餌を変えたらあっけなく解決した・・ということもありました。

そういう意味でも、肝臓を整えることは、穏やかでハッピーな毎日には不可欠な要素です。

なんたって体の肝(きも)ですから!


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