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犬の厄年


いよいよ6月。

今年も折り返し地点に来ました。

各地の神社で茅の輪の準備が始まります。

茅の輪をくぐって半年分の厄を払い、今年の後半も無事に過ごせますようにと願う行事です。

最近はペット立ち入りOKのお寺や神社も増え、健康祈願を執り行って下さる所もあるようです。

よく男性の大厄は42才、女性は33才と言われますが、犬の世界でも共通したものを感じることがあります。

始めにお断りしますと、これはあくまでも経験則で感じたものであり、明確なデータや論文があるわけではありません。

どんなデータも2000件は集めて分析しないと、相関性を証明するには根拠が薄いです。

それをご了承の上で、「そんなこともあるのね」くらいな気持ちで読み進めて頂けるとありがたく思います。

どうもオスの場合、6才前後に健康上の変化を見ることが多いような気がします。

ところがメスは、4才~5才に起こることが多い。

逆説的に言うと、オスの場合7才まで、メスは5才まで特に健康上の問題がなければ(あったとしてもその年齢までに対処できていれば)シニア期になっても比較的元気に過ごしている場合が多いです。

もちろん加齢に伴う変化はあっても、日常生活の質が保たれているのは大切です。

目安となる年齢は、大型犬と小型犬では当然差がありますが、人間の年齢に換算するとだいたい42才頃と33才頃に該当するから不思議です。

厄年の根拠は、『根拠なんかない!』という説も含めて、様々な説がありますが、生物学的にはある程度説明のつく部分もあります。

まずホルモンバランスの変化が始まる年齢であること。

そもそもホルモンとは、体の各器官の活動を調整する物質です。

オス・メス独特の機能にだけ関わっているわけではありません。

全身の細胞レベルの調整に関わっており、血液に乗って全身を駆け巡っています。

具体的に言えば心拍数の管理から、肝機能の維持、新陳代謝の調整など、命に直結するようなことから見た目に関わるところまで広く関係しています。

仮に病気や怪我をしても、担当するホルモン物質が的確に情報を伝え、修復に必要なメンバーを招集できれば、順調に回復していきます。

脳下垂体や甲状腺、副腎、膵臓など体内各所で作られていますが、どれが微妙に増減しても体に変調をきたすことがあります。

血糖値のコントロールで有名なインスリンもホルモンの一種ですし、副腎皮質ホルモンは”ステロイド”の名前でよく聞くと思います。

特にステロイドは”怖い”のイメージが先行していますが、本来自分の体で作っているものです。

炎症を抑制したり、血中の電解質を調整したり、免疫の反応を調整したりと、かなり広範囲に活躍します。

それだけに、これが体の要求通り分泌されていれば、炎症やアレルギー反応等を抑えてくれます。

しかしバランスが崩れ、要求量に追い付かなくなった時、”病気”として現れるのです。

このように一言で”ホルモンバランスの崩れ”と言っても、体内ではかなり複雑なことが起こっています。

そのため、その”崩れの結果”がどんな形で現れるかは、かなり個人差があります。

体の不調という人もいるでしょうし、気持ちの不調、あるいはそれらが原因で注意力が散漫になり事故、怪我・・というケースもあるでしょう。

それらをひっくるめて”厄”と呼んでいるように思います。

生き物である以上、犬猫の体内でも同じようなことは起こり得るわけで、やはりある一定の年齢に達したら、ちょっとした変化を見逃さず、早めに対応することが長く健康でいられる秘訣でしょう。

そのための一つの目安として、”厄年”を≪健康強化期間≫として捉えてみるのはいかがでしょう?

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