いまや2人に1人がガンに罹り、3人に1人がガンで亡くなる時代。
ガンに限らず病気に罹ると、まず本人の肉体的・精神的負担は計り知れません。ましてや高額な治療や薬が必要になる病気だと、医療費の負担も重くのしかかります。
最近高額の新薬が医療費を圧迫していることが報道され、国としても色々な対策を考えているようですが、一足先に同じような経験をした国があります。
1970年代に入り、アメリカは生活習慣病やガンが急激に増え始めました。
1975年にベトナム戦争が終結する頃には、医療費は国の予算を圧迫するほどになり、政府は危機感を持ちます。
そこで当時のフォード大統領は、マクガバン上院議員を委員長に栄養問題特別委員会を発足させました。
この調査は、アメリカのみならず世界中から広い分野の専門家を招き、食生活と健康状態の相関性を分析しました。
この調査は2年にも及び、アメリカ政府の依頼に応じて資料やレポートを提供した専門家だけでも3000人以上。完成した報告書は5000ページにもなりました。
この報告書が『マクガバンレポート』と呼ばれ、40年前に作成されたにも関わらず現代日本が直面している問題解決のヒントが多く見られます。
冒頭、マクガバン委員長は
『ガン、心臓病を始め多くの病気が増えている。最新とされるアメリカの医学を活用し、巨額の医療費を注ぎ込んでいるのにアメリカ国民の病気は増えるばかり。この原因を解明し根本的な対策を立てないことには、アメリカは病気で滅んでしまう。何か重大なことを見落としているのではないか。現代医学が進歩していると考えること自体も間違っていたのではないか』
と極めて重要な問題提起をしています。
”感染症や伝染病ではなく、食事や栄養の歪みによって病気になる”ことを公の場で初めて明言した意義もとても大きいと思います。
(これは犬猫の死因の1位がガンになった今、人間だけの問題ではなくなっています。
特に犬の死因の54%はガンで、2位の心臓病17%を大きく引き離しています)
このレポートが発表された後、1982年にアメリカ国立科学アカデミーは『食と栄養とガン』という研究報告書を作成し、”食生活の改善はガン予防につながる”と明記したことにより、世界中が食事や栄養の重要さを認識する決定打になりました。
これら二つの大きなレポートを発信したアメリカでも、80年代はまだガンは微増し続けました。
しかし90年代に入り、罹患率・死亡率共に減少に転じています。
食生活というのは一朝一夕に変えるのは難しいですし、変えたところですぐに効果を感じるわけではありません。
またすでにどこか痛いとか調子が悪いというわけでもないと、あまり必要性を感じないかもしれません。
しかし今も続くアメリカの和食ブームは、マクガバンレポートや国立科学アカデミーの報告書と深く関係しています。
特に日本人には身近すぎて忘れそうになる”玄米”と”大豆”の重要性を改めて知ることができます。
昔から”玄米は健康に良い”とは言われていましたが、具体的にどんな成分が含まれていて、それがどんな働きをしているのか・・まだ未知の部分がたくさんありました。
本土復帰したばかりの沖縄で、長寿の秘密を研究していた医学博士 伊藤悦男先生は、玄米に注目します。
それから30年以上も玄米成分の抽出実験や動物による抗がん効果を検証し続けました。
そしてついに世界で初めて、玄米のぬか部分からRBAとRBFという抗がん成分を発見したのです。
RBAはαーグルカン構造を持つ多糖類で、キノコの健康効果で知られるβーグルカンに勝るとも劣らない免疫アップ効果があることが分かりました。
このグルカン成分はブドウ糖が複数結合した多糖類なので、様々な食べ物に含まれています。
ちなみにアルファとベータの構造上の差は、分子の回転方向の違いだけですが、食品として摂取した場合には、大きな差があります。
それは、βーグルカンを分解するために必要な酵素”βーグルカナーゼ”を、人間は持っていないのです。
そのため、体はβーグルカンを”異物”として感知し、免疫細胞を刺激。それによって免疫力があがるのではと考えられています。
ところが、αーグルカンは長く人間になじんできた食品に含まれている多糖類ですので、この理論は通用しません。
しかしマウスに移植したガンの成長阻止率は70%にも及んだとのこと。
このデータを見る限り、その作用機序ははっきりしなくても、明らかに何らかの作用をもたらしているのは間違いないでしょう。
そしてもう一つの成分RBF。
こちらはタンパク質性の成分ですが、これが入るとガン組織の中で大食細胞が増え、急激な発熱を起こすことが分かりました。そして次第にガン細胞は、単なる繊維組織に置き換わっていくことが判明。
つまりガン細胞にエネルギーを使い果たさせて(急激な発熱)、細胞死に導く作用が見られたのです。
多くの抗がん剤は、異常細胞だけでなく、正常な細胞にも影響を与えてしまうことが大きな問題でした。
しかし、玄米から発見されたこの二つの成分には、その心配がありません。
そこでそれぞれの成分を、安定的に大量に取り出すバイオ技術の開発に、民間企業も協力し成功しました。
RBA・RBF共に、世界的にも知られていない作用機序によって、抗がん効果を示したため、国際特許も取得。
こうして画期的な薬が世に出る準備は、着実に進んでいました。
ところが新薬認可の申請を監督省庁に打診したところ
「これまでの抗がん剤カテゴリーにない、新しい作用機序だから申請を認めることができない」
という回答だったとのこと。
思わぬ壁が出てきたと思っていたら、今度はバブルが崩壊。
これまで研究開発費をつぎ込んでくれていた民間企業も、資金難に陥ります。
こうして薬としてのRBAとRBFは世に出ませんでしたが、玄米には確実に存在しています。
この成分は不思議なことに、米ぬかだけになると作用しないとのこと。
”玄米”として存在した時に力を発揮してくれます。
そして120℃以上の熱をかけて、固い細胞壁を破壊した時に出てきます。
玄米の効果的な炊き方
玄米を炊く前に、フライパンで5~6分ほど炒るのがコツです。
洗った玄米が、パチパチとはぜる音を立て、香ばしい香りが漂ってくるまで炒ります。
そこへ一気に水を注ぎ、ジュワ~という音が静まるまでそのままで。
その後お水ごと炊飯器へ移し、玄米モードでスイッチオン!
こうすると、半日水に漬ける手間も省ける上、大変食べやすく炊き上がります。
お好みで、一つまみ塩を入れるのもお勧めです。