一時、『ジンギスカンでダイエット!』と話題になったL-カルニチン。
豚肉にも牛肉にも含まれていますが、ラム・マトンにはより多く含まれていることで注目されました。
動物は基本的に、体内で必須アミノ酸リジンとメチオニンから合成できます。
しかし何らかの理由で
①≪必要量を合成できない≫
あるいは
②≪消化吸収の段階で問題が起こり吸収が不十分≫
はたまた
③≪せっかく吸収したのに、腎臓で必要以上に排出されてしまった≫
というような結果、欠乏症に陥ることがあります。
カルニチン欠乏は、ある種の心臓病と関係しているので看過できない問題です。
心臓病は、レントゲン写真やエコー検査などで診断されます。
しかし、それが即カルニチン欠乏を表すものではありません。
血液検査で、カルニチンを測定する方法もありますが、血中のカルニチンレベルが心筋のカルニチンレベルを反映していることはほとんどないとされています。
実際、カルニチン欠乏と診断された80%の犬の血中カルニチンレベルが、正常かむしろ高めであったというデータがあります。
そして仮に、”カルニチン欠乏症”と診断されても、①~③どの理由でカルニチン欠乏が起こっているのか?
あるいは①~③以外の、どんな問題が起こってカルニチンが欠乏しているかを判断する方法は、まだ確立されていません。
そもそも『カルニチンって何してるの?』という話ですが、遊離脂肪酸を細胞内のミトコンドリアに運びやすくしてくれる存在です。
脂肪酸はそのままだと細胞膜を通過しづらいので、カルニチンがちょっと形を変える手伝いをして、一緒にミトコンドリア内に入ります。
ミトコンドリア内で脂肪酸が酸化することで、エネルギーが発生。
その後残った不要物も、また細胞膜を通過しやすい形に変え、ミトコンドリア外へ運び出します。
まるで鍋奉行ならぬ、バーベキュー奉行?!のごとく
火起こし(炭に着火剤を乗せ火を付きやすくする)
↓
炭が燃える(焼くためのエネルギーが発生)
↓
後始末(燃え残った灰もきっちり持ち帰って処分)
という律儀なヤツです。
心臓の筋肉だけでなく、全身の細胞にエネルギー源を送り続けるカルニチン。
特にシニア期になったら、意識的に摂ることでより快適な毎日を送れると思います。