「えっさ、ほっさ・・・・・ふう~・・おに~、おに~」
大男が手を休めて、汗をぬぐいました。
「りんごろうさん、聞きましたか?」
犬がりんごろうに尋ねました。
「うん。確かに”オニ”と言った」
「やいや~!間違いない。”オニ”と言ったぞ」
サルも同意しました。
「よし!いよいよ鬼退治じゃ!」
ウミネコは真っ先に飛び立つと、にんにくを大男にめがけて投下しました。
「わい!」
にんにくは、見事に大男の頭に命中しました。
「これはこれは、立派なにんにくだこと。空から降ってくるなんて、まさに”青天の霹靂”だな」
大男はそう言うと、早速にんにくを食べ始めました。
「うん。これはいい!力が湧いてきたぞ」
大男は、さらに力強くクワをふるい始めました。
今度は、サルがホタテ手裏剣を投げました。
「やや!これはうまい。ホタテを食べると疲れが飛ぶようだ。貝殻は畑の肥料にしよう」
そう言うと、田んぼに向かって”まっしぐら”に掘りつづけました。
「わいは!オニは弱るどころか、ますます元気になってしまったぞ」
犬がそうつぶやくと、りんごろうは
「よし全員で一気に攻め込もう」
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