今日11月1日は犬の日だそうです。
そして少し前になりますが、9月20日~26日は動物愛護週間でした。
よりによってその時期に愛護センター行きになる老犬がいました。
年齢的には”老犬”ですが、元気いっぱいで、お散歩が大好きです。
排水溝や水たまりを軽々と飛び越え、調子が出てくると「走る?」と目で合図を送ってきます。
実はこのアイコンタクトは最初からではありません。
最初は『俺のタイミングで走る!』『俺の好きな方向に歩く!』という”オレ様”わんこでした。
しかしこれは、犬・人両者にとって大変危険な散歩となります。
例え小型犬でも、急に方向を変えたり、走り出したりすると、転倒や交通事故の危険もあります。
丁度”交通安全週間”とも重なっていましたので、まず最初に『散歩安全週間』となりました。
本名がはっきりしないので、様々な音感の名前で適当に呼んでみました。
すると「マー君」と呼んだ時に、顔を上げて目が合ったのです。
「なんだよ、しつこいな・・」と思って偶然顔を上げただけかもしれません。
あるいは何か聞きなれた言葉に近い響きがあったので「何?」と反応したのかもしれません。
しかし本犬にとっては、嫌な響きではなかったようで、「マー君」と呼ぶたび目が合う回数が増えました。
というわけで、普通は『本名⇒愛称』となりますが、”マー君”は『愛称⇒本名』という異例の経緯を辿りました。
ご縁とは不思議なもので、毎日同じ職場や学校にいても話す機会がなく、そのコミュニティーを離れたら一生会わないことも多々あるでしょう。
また喧嘩したわけでもないのに、なんとなく疎遠になる場合もあります。
しかしどんなに遠くに引っ越しても続く間柄もあり、”ご縁”とは何とも不思議な出会いです。
それは人との出会いだけでなく、動物たちとの出会いにも言えます。
出会いの場が何処であろうと、『あの子を迎えたい』と熱望したのに何故かご縁がなかった・・という話は良くお聞きします。
『成犬や成猫だと懐かない』と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは、『この犬種はこういう性格だから合わないかもしれない』と感じることもあるかもしれません。
しかし”ご縁”とはそういう考えも吹き飛ばす時があります。
森の中の一本道の先はどうなっているのでしょう?
三叉路?
霧の立ち込める湖?
おしゃれなカフェがあったりして・・・
舗装された国道に出ちゃったよ!というようなこともあるかもしれませんが、それもまた現実世界。
自然豊かな環境は犬にも人にも良いのは分かっていますが、携帯電話やコンビニ・ネット通販などが当たり前になっている日常。
ないと不便を感じるでしょう。
世の中が変化して、人と犬の生活環境が変わっても、出会いの喜びは変わらないと思います。
だからこそ、犬との関係がこんなにも長く続いているのです。
行政の施設や民間団体の譲渡会なども、縁結び候補の一つとしてもっと広まっていくことを願ってやみません。
あなたを待っている子が、そしてあなたが出会いたかった子がそこにいるかも知れません。