北海道警の嘱託警察犬に、3歳の柴犬”桃太郎”が任命されたとの新聞記事を見ました。
ご存じのように、柴犬に限らず和犬は、<飼い主さん命!>であることが多く、飼い主さん以外にトレーナーやハンドラーと様々な人と信頼を築かなくてはならない警察犬のような仕事は不向きとされていました。
実際、警察犬として採用されている和犬はごくわずか。
ただ柴犬に限らず、甲斐犬・四国犬・北海道犬・秋田犬など、和犬は狩りのお供をしてきた歴史があります。
鼻が利くのはもちろん、集中力やとっさの判断力、マラソンランナーような持久力とスプリンター並の瞬発力など、これほど賢くバランスの良い犬種はいないと思うのは、ひいき目でしょうか?
秋田犬などは、農作業中の親御さんに代わって、赤ちゃんの見守りなんかもしていた時期がありました。
これは精神的にも落ち着いていて、何か予想外のことが起きたら、自分の判断力で動ける能力が高い証拠とも言えます。
ただ、賢いが故の問題点(あくまでも人間側の都合で見た場合ですが)がないわけでもありません。
かく言う、めでたく警察犬になった桃太郎くんも、相当なやんちゃだったそうです。
それで飼い主さんがプロの力を借りようと、訓練所に連れて行ったところ、その才能を見出され試験に挑戦。
今回、3回目の挑戦で見事に合格したのでした。
やんちゃ=制御不能な犬ではありません。
例えば”鼻が利く”という特技は、警察犬に不可欠な資質です。
その上に”集中力”という能力が加わると最強です。
仕事として嗅覚を最大限に生かすには、集中して嗅ぎ続ける・匂いをたどり続けるということが出来ないと成り立ちません。
ところが、この能力が一般家庭内で発揮されると
『テーブルの上の食べ物を失敬する』⇒犬の気持ち:飼い主さんの食べ残しを頂くのは、昔からの習慣です。他の動物が食べ物の匂いにつられて寄ってくる前に、ボクが全部片づけておきました!
『洗濯物を散らかす』⇒犬の気持ち:みんなの匂いサイコー!あっちの引き出しもいい匂いがするなあ。全部確認しとかなきゃ。
『カーテンをビリビリにする』⇒ゆらゆら揺れるあいつを、やっつけておきました!
彼らなりに、自分の役割を真剣に果たしているのです。
決して、飼い主さんを困らせてやろうなどという気はないのです。
桃太郎くんの飼い主さんのように「もうお手上げ!」という時はプロの手を借りるのも一つの方法です。
しかしまず散歩の時間を増やして、ワンちゃんの嗅覚を刺激すること。散歩は体力的なエネルギーを発散させるのと同時に、嗅覚・視覚・聴覚等頭を使わせるチャンスでもあります。
頭と体、双方の適度な疲労は、わんちゃん、飼い主さん両者にとっても健康的な毎日に必要なことに思います。