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東洋医学から見る22~椎間板・軟骨と腎臓の関係


椎間板や各関節のクッション役となっている軟骨は、密度の低い骨と見ます。

東洋医学的には骨は腎臓が支配していると考えれられています。



また肝臓が後天的な元気を左右する臓器であるのに対して、腎臓は先天的な元気を司っていると考えられており、生まれる前からの骨格形成という、脊椎動物において極めて重要な過程と密接に関わっています。


関節の不調は歳のせいだからしょうがない?

人間も加齢と共に膝や腰が痛みが出てきた・・ということはよくありますが、高齢化の進んでいる犬猫の世界でも最近多く聞くようになりました。


犬猫の場合、

・歩きが遅くなった

・ジャンプをためらうようになった

・歩き方が変

といったサインで分かることが多いと思います。

ただこういったサインを「歳のせい」で諦めてしまうのはもったいないし、サプリだけでどうにかするのも難しいと思います。



なぜなら関節は、骨だけの問題ではなく、靭帯や筋肉とも密接に連動して成り立っているからです。


関節の不調は、内臓の問題と複雑に関係する

骨⇒腎臓

靭帯(骨と骨をつないでいる)・腱(筋肉の末端と骨をつないでいる)⇒肝臓・胆嚢

筋肉⇒脾臓


関節に関わる各部位は、それぞれ支配している臓器が違います。




外傷による骨折であっても、その骨を支える周囲の筋肉や靭帯などに損傷が伴うことがほとんどです。

また加齢に伴う関節の不調でも、筋肉や腱・靭帯の衰えと深く関わっており、それらをセットでケアする必要があります。


脾臓と関わるケース~湿気が多い時、寒さを感じる時

よく湿気が多い時や急に寒くなった時に、関節の不調を聞くことが多いですが、この場合は骨というより脾臓が支配する筋肉からのサインと考えます。


同じようなケースで、”季節の変わり目”にも起こりやすい傾向にあります。

季節の変わり目は俗に言う”土用”であることが多く、土用は脾臓・胃の活動期間になり、関節の問題が出やすい上、胃腸の問題も起きやすくなります。

今年で言えば


冬土用:1月18日~2月3日⇒一番寒くなる頃。

春土用:4月16日~5月4日⇒いわゆる木の芽時と言われる頃。寒暖差もあり心身の不調が起こりやすい時。

夏土用:7月19日~8月6日⇒湿気の多い梅雨が明ける頃。

秋土用:10月20日~11月6日⇒朝晩急に冷えるようになる頃。


こういう時は筋肉を動かし、体の栄養分である”血”の滞りを取りのぞいて、”血”がスムーズに流れるようになると楽になります。


もし触られるのを嫌がらない状態であれば、首の後ろからしっぽにかけて、背骨の両脇をゆっくり撫でて血流を促してあげるのも良いかもしれません。

(押したり揉んだりはせず、撫でるだけで十分です)


同時に内臓に『寒』が入り込んでいて、余分な水分が滞っているので、体を少し温める食材を足し、余分な水分を乾かしてあげると、痛みが和らいでくるでしょう。


ひどい炎症を起こしている急性期が過ぎたら、徐々に運動を取り入れ全身に”血”を巡らせるのは、何よりの解決法です。



”血”には損傷した組織を修復する栄養が含まれているので、それをしっかり巡らせてあげないと、どんなに良い食餌やサプリメントを摂っても意味がありません。



腎臓・肝臓が関わるケース~シニア期

血の巡りに肝臓の働きは不可欠で、老廃物を含んだ血の浄化には腎臓が重要です。

どちらも加齢と共に衰えやすいので、運動と共に食餌でフォローする必要があります。



米は穀物の中で最も消化が良く、脾・胃に負担がかからない上、腎臓の働きを強化してくれます。

乳製品は消化器系に湿気を作るので、関節に炎症が起きている時は避けた方が良いでしょう。

動物性たんぱく質は、鶏肉か魚がお勧めです。




また腫れた関節から余計な湿気を取るには黒豆、えんどう豆などを少量摂っても良いですが、手作り食ではハト麦粉(焙煎して粉にしたもの)や蕎麦の方が使いやすいのでお勧めしています。

ハト麦や蕎麦は体を冷やす効果を持っているため、炎症を冷ましてくれます。



それらを体を温める作用を持つ鶏肉やかぼちゃ等と合わせたり、キャベツやニンジンと合わせるのも胃腸をサポートしてくれるので良いと思います。


シニア期・若年期共に、ハト麦や蕎麦はピンポイントで使い、普段は米を中心にたんぱく質と野菜類を合わせていくのが、関節サポートにはお勧めですが、ご紹介したようにいくつもの内臓と複雑に関係しているので、個々の体質や持病とのバランスも見なくてはなりません。

迷ったときは専門家へのご相談をお勧めします。



また季節の変わり目に皮膚炎をおこしたり、手足のかゆかゆのご相談が年を追うごとに増えていますが、それらも脾臓と深く関連しており、関節、胃腸の不調とも関わってきます。


関連ブログ2⇒腎臓と耳の関係①


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